重賞ウィナーレポート

2014年03月21日 フラワーC G3

2014年03月21日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:バウンスシャッセ

プロフィール

生年月日
2011年05月06日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
156,027,000円
ゼンノロブロイ
母 (母父)
リッチダンサー(GB)  by  Halling(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤沢 和雄
騎手
北村 宏司

 前走の寒竹賞を快勝。フラワーカップ(G3)では重賞勝ち馬や、上位入着馬に入って3番人気の支持を集めたのがバウンスシャッセ。クラシック本番に向けて強くなるゼンノロブロイ産駒らしい成長力を遺憾なく発揮し、見事に重賞初制覇を飾った。

 「牧場で育成を行った後、すぐにメイクデビュー函館を勝ってくれた時には、先々が楽しみな馬になるのではと思いました。その後は札幌2歳S(G3)、アルテミスS(重賞)と敗戦を繰り返しましたが、調整先であったノーザンファーム天栄のスタッフ、そして藤沢厩舎の皆さんがいい状態に戻してくれたことが、この結果に繋がったと思います」と話すのは、ノーザンファーム早来牧場で育成調教を手がけた日下和博厩舎長。日下厩舎を昨年巣立った中には、新潟2歳S(G3)、そしてチューリップ賞(G3)を制したハープスターがおり、これで2頭が賞金面でのクラシック出走を確定させたこととなる。

 「札幌2歳S(G3)は2歳牝馬には厳しい馬場での競馬となりましたし、アルテミスS(重賞)はその時の疲れが取れていなかったのかもしれません。ただ、前走の寒竹賞はパドックの姿からもその時以上の状態にあるように見えました」(日下厩舎長)

 アルテミスS(重賞)と寒竹賞ではプラス6㎏、そして寒竹賞とこのフラワーカップ(G3)でもプラス6㎏とバウンスシャッセは成長力を数字の上でも示すかのように、着実に馬体重を増やしてきた。このフラワーカップ(G3)では出走メンバー中、唯一500㎏を超えた馬体となったが、最後の直線では先行馬をあっという間に交わし去り、その勢いのまま先頭でゴール板を駆け抜けた。

 レース後、陣営から衝撃的な発表がされる。バウンスシャッセが次走に選んだのは、クラシック三冠と言えども、牝馬限定の桜花賞(G1)ではなく、一線級の牡馬が待ち受ける皐月賞(G1)。ちなみに牝馬が皐月賞(G1)に出走するのは第51回(1991年)のダンスダンスダンス以来、23年ぶりのこととなる。

 「藤沢先生も話しておられましたが、皐月賞(G1)出走はオークス(G1)に向けての選択肢の1つだと思います。さすがに今年は牡馬も強いメンバーが揃っていますし、まずは無事に、そしていいレースを見せてくれれば、オークス(G1)も楽しみになってきますね」(日下厩舎長)

 一方、同じ日下厩舎で管理されていたハープスターは桜花賞(G1)出走を予定。このまま順調に行けば、次に2頭が戦うのはオークス(G1)の舞台となりそうだ。

 「ハープスターは高い能力を持っていると思いますが、バウンスシャッセも育成時から距離が伸びたら楽しみな馬と思っていた通りの活躍を見せ始めました。2頭が揃って出走する際には、どちらも応援したいですし、できることならワンツーフィニッシュとなってくれたら最高ですね」(日下厩舎長)

 ちなみに過去に皐月賞(G1)に出走した牝馬では、第7回(1947年)のトキツカゼ、第8回(1948年)のヒデヒカリと2頭が優勝。現在、牡馬、牝馬で三冠路線がはっきりと分かれた状況下では、なかなか牡馬三冠路線に出走してくる牝馬は出てこないが、最近でもウオッカが日本ダービー(G1)に優勝しており、古馬G1戦線では牝馬が勝利することも珍しくはなくなった。バウンスシャッセとハープスターとの初めての対戦は、クラシックタイトルホルダー同士の戦いとなっている可能性も無いとは言えなさそうだ。