重賞ウィナーレポート

2014年02月22日 ダイヤモンドS G3

2014年02月22日 東京競馬場 晴 良 芝 3400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フェイムゲーム

プロフィール

生年月日
2010年05月11日 04歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:9戦3勝
総収得賞金
411,148,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ホールオブフェーム  by  アレミロード(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
宗像 義忠
騎手
北村 宏司

 京成杯(G3)以来の勝利を重賞の舞台であるダイヤモンドS(G3)であげたフェイムゲーム。皐月賞(G1)の後、左前脚トウ骨遠位端骨折が判明し、復帰までに時間を要したこともこのブランクに繋がったのだが、その際に調整先となったのが、育成も手がけたノーザンファーム空港牧場だった。

 「最初に接した頃は、ハーツクライ産駒としてはコロンとした馬体をした馬で、行動など様々な面で子供っぽさものぞかせていました」とは育成スタッフの橋口敦史さん。それでもフェイムゲームはノーザンファーム空港牧場を巣立った後、重賞制覇を果たしただけでなく、皐月賞(G1)にも出走するなど様々な経験を重ねてきた。怪我による再会は残念な気もしたものの、きっと成長した姿を見せてくれるはずと思っていたフェイムゲームは、あの頃の印象と同じように快活な動きを見せていた。

 「正直、そんなに変わらなかったですね(笑)。外見的にはまだキ甲も抜けていませんでしたし、何かある度に立ち上がろうとするところなど、当時と一緒でした。ただ、怪我が回復してからのキャンターは素晴らしい動きを見せていましたし、改めて高い能力を持っているなと思っていました」(橋口さん)

 むしろ橋口さんは、今の完成度でフェイムゲームがこれだけの走りをできていることが驚きでもあった。きっとこの休養も成長に繋がると思って再び厩舎へと送り出したが、復帰2戦目となるAJCC(G2)で3着に入り、復調の兆しが見込める中で迎えたダイヤモンドS(G3)は、1番人気の支持を集めるまでになった。

 この日は厩舎のスタッフと共に、休憩所のTVで観戦していたという橋口さんだが、そこでフェイムゲームはとんでもないアクシデントに見舞われる。スタートのタイミングが合わずに大幅な出遅れ。日本で最長の重賞競走で、巻き返しこそまだ十分に図れるダイヤモンドS(G3)ではあるが、それでもフェイムゲームは最後方からのレースを余儀なくされる。

 「出遅れた瞬間は、見ていたスタッフと共に「え?」という言葉が出ました。最後方からのレースもどうなるのだろうと思っていましたが、それでも最後の直線では先頭に立って、それで押し切るのですから本当に強い馬なのだと思いました」(橋口さん)

 ゴール前、他馬を引き離すかのようにストライドを大きく伸ばすフェイムゲームの姿を見たとき、橋口さんは不思議な思いを持ったという。「牧場にいた頃はまだ子供っぽい馬体をしていると思っていたのですが、これほど走るフォームが格好いい馬だったかな?と思いました。それだけ僅かな時間でも成長を遂げているのかもしれませんし、むしろまだ良くなる見込みも十分に残されているだけに、今後、どう変わっていくのかが楽しみにもなりました」(橋口さん)

 このレースの後、ノーザンファーム天栄に放牧されたフェイムゲームだが、次走はまだ未定となっている。だが、重賞を制したことで今後のレース選択も楽になりそうであり、しかも京成杯(G3)の芝2000mから、ダイヤモンドS(G3)の芝3400mを制したことで、オールマイティな距離での好走も期待できる。

 「次走も楽しみな一方で、まだ良くなるのはこれからだと思うので、来年、そして再来年の活躍も期待したくなります」(橋口さん)

 その橋口さんの言葉を裏付けるような活躍を残したのが、2歳の新潟2歳S(G3)から、7歳のオールカマー(G2)まで、実に息の長い活躍を残した半兄バランスオブゲーム。フェイムゲームも兄と同じように息長く重賞戦線を沸かし、そして兄の取れなかったG1タイトルを手にしてもらいたい。