2013年12月31日 東京2歳優駿牝馬(GDJ)
優勝馬:ブルーセレブ
プロフィール
- 生年月日
- 2011年05月16日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 35,050,000円
- 母 (母父)
- カリビアンセレブ by ゴールドアリュール
- 馬主
- 黛 大介
- 生産者
- 中村 雅明 (荻伏)
- 調教師
- 武井 和実
- 騎手
- 森 泰斗
大晦日に大井競馬場で行われた『グランダム・ジャパン2013』2歳シーズンの最終戦「東京2歳優駿牝馬」を、川崎所属のブルーセレブが制した。このレースには、ノットオーソリティ、ラブミーブルー、クライリングなど、ホッカイドウ競馬出身の有力牝馬が顔を揃えたが、それら人気馬を中団待機からまとめて差し切り、8番人気の低評価を覆して重賞初制覇を成し遂げた。
ブルーセレブの生産者は、浦河町野深の中村雅明さん。父の敏明さんと共に、昭和32年創業の牧場を盛り立てている。過去には2004年の名古屋優駿(G2)を制したタカラアジュディや、2009年の根岸S(G3)で2着に好走したヒシカツリーダーなどを送り出しているほか、現役の活躍馬にはJRAで7勝を挙げているアドバンスウェイ(セレクトセール出身馬)がいる。
CSの競馬中継を見て声援を送っていたという敏明さんは、「2勝目の差し脚を見た時に、これは将来楽しみな馬になると感じていました。今回もあの決め手が使えればチャンスだと思いましたが、レベルの高い道営デビューの重賞馬が相手でしたからね。掲示板に載ってくれれば…という気持ちでした。先頭でゴールした時は、本当に嬉しかったです。人気がなかったので、配当もだいぶつきましたね。息子は馬券を買っていたようですよ(笑)」と朗らかな笑顔を見せながら話してくれた。
「母の初仔だったので小柄でしたが、動きは良かったです。性格は母に似て前向き。人間に対して従順で、扱いやすい馬でした」と、ブルーセレブの幼少期を振り返ってくれたのは雅明さん。ケガや病気もなく、1歳10月まで同牧場で健やかに育ち、その後は高崎で育成が施されたそうだ。
南関東3勝の母カリビアンセレブ、JRA1勝の祖母カリビアンボイス共に同牧場の生産馬で、牝系には名スプリンターのフラワーパークや、2004年の桜花賞(G1)へも駒を進めたロイヤルセランガー(同牧場生産馬)の名前もある。「スピードがあって、2歳戦から実績を出している牝系です。母のカリビアンセレブも大井のデビュー戦を勝った時、“大物になる”と評判になった馬でした。ブルーセレブの走りを見る限り、潜在能力は受け継がれていますね」と、代々つないできた牝系を紹介してくれた。
ゴールドアリュール産駒の母カリビアンセレブの配合相手にアサクサデンエンを選んだ理由については、「サンデーサイレンス系の肌馬には、シングスピールの血統が合うだろうと考え、アサクサデンエンとローエングリンを候補に挙げました。結局、以前から注目していたアサクサデンエンを交配することにしました」と敏明さんは明かす。
現在カリビアンセレブは、シニスターミニスターの仔を受胎中。また、ブルーセレブの半妹にあたる1歳牝馬(父メイショウボーラー)が、真っ白な放牧地を元気に駆けている。「同じ牝系のロイヤルセランガーが2歳時、小倉のフェニックス賞でメイショウボーラーの2着に負けましてね。それがずっと頭にあって、因縁めいたものを感じて配合したんです。半妹は馬格もあり、現段階ではブルーセレブと同等、もしくはそれ以上に良い馬ですよ」と期待を懸ける。
「ブルーセレブは当面、浦和の桜花賞が目標となるようですが、順調に駒を進めて欲しいと思います。春は出産・種付けシーズンと重なりますが、都合がつけば応援に行きたいですね」と、母の成し得なかったクラシック出走に意欲を見せる敏明さん。東京2歳優駿牝馬でコンビを組んだ森泰斗騎手が、“折り合いもつくし、距離が延びても大丈夫でしょう”とコメントしているように、『グランダム・ジャパン2014』3歳シーズンでも楽しみな存在となってきそうだ。