2013年12月08日 カペラS G3
優勝馬:ノーザンリバー
プロフィール
- 生年月日
- 2008年04月12日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:16戦6勝
- 総収得賞金
- 316,876,000円
- 父
- アグネスタキオン
- 母 (母父)
- ソニンク(GB) by Machiavellian(USA)
- 馬主
- 林 正道
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 浅見 秀一
- 騎手
- 柴田 善臣
アーリントンC(G3)以来、2年10か月ぶりの重賞制覇。皐月賞(G1)、ダービー(G1)にも出走したノーザンリバーが久しぶりに栄光を掴んだ場所は、ダートの、しかも短距離戦でのことだった。
「休養していた期間もこちらで過ごしていたので、長く復帰までの過程を見守ってきました。運動を制限された期間もあったのですが、気の悪さを見せることもなく、むしろ手のかかることはまるで無かったです」とはノーザンファーム空港牧場の育成スタッフである今井翔一さん。その今井さんには初重賞制覇となったアーリントンC(G3)の際にもお話を聞かせてもらっているが、当時もクラシックにかける思いを聞かせてもらっていた。
「育成時から大きいところを狙える馬だと思っていました。それだけにアーリントンC(G3)を優勝してくれた時には嬉しかったですが、まさか次の重賞タイトルがダートの短距離戦とは思っていませんでした」(今井さん)
それでも今井さんはノーザンリバーの芝、ダートを問わない能力の高さを育成時から感じ取っていた。それが事実だと気付いたのは、2着に8馬身差をつけた3歳未勝利戦と、圧倒的な1番人気に応えた500万下条件で見せたダートでの走り。しかも兄弟のランフォルセはダイオライト記念(Jpn2)を含むダート重賞3勝と、血統的にも高いダート適性を秘めていた。
「今回はクラスターC(Jpn3)以来の重賞挑戦となりましたが、前走(京都オータムリーフP)は勝ったとは言えども、多少ずるいところも見せていたので、ダート短距離界のスペシャリストが揃うこのレースは、正直、きついのではとも思っていました」(今井さん)
ダートの重賞ウイナーも揃ったレースは、激しい先行争いが繰り広げられることとなったが、1枠1番からのスタートとなったノーザンリバーは、その枠を生かすかのように、内ラチ沿いをぴったりと回っていく。最後の直線、前を行く馬が壁になったかのように見えたが、馬群をすり抜けていくとあっという間に先頭に立ち、そのままゴール板を駆け抜けた。
「速い流れでも難なく追走できていましたし、最後の直線ではこの馬のセンスの良さが出たと思います」(今井さん)
まさにダート界の新星となりそうな勝利となったが、今井さんが嬉しかったことは距離適性の幅が広がったこと、そしてこの勝利でまたG1タイトルを目指せるようになったことである。
「今回は1200mでの勝利となりましたが、距離もマイル近辺の方が合っていそうですし、レースぶりからすると小回りのコースで行われる交流重賞も苦にしなさそうです。先々はダートのG1レースでも活躍して欲しいですし、そこまで行ける馬だと思っています」(今井さん)
目指すG1タイトルはクラシックからダートへと変わったものの、ノーザンリバーが芝ダート問わない高い能力を持っていることだけは間違いない。次に今井さんとノーザンリバーの取材をさせてもらえるまで、それほど時間を要することは無さそうだ。