2013年11月04日 JBCスプリント(中央交流) Jpn1
優勝馬:エスポワールシチー
プロフィール
- 生年月日
- 2005年04月22日 08歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:38戦17勝
- 総収得賞金
- 1,023,197,000円
- 母 (母父)
- エミネントシチー by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- (株) 友駿ホースクラブ
- 生産者
- 幾千世牧場 (門別)
- 調教師
- 安達 昭夫
- 騎手
- 後藤 浩輝
“奇跡”という言葉を使ったら、懸命に努力を重ねた関係者と、復活に賭けた馬に対して失礼だろうか。年が明ければ9歳という「ダートの中距離王」エスポワールシチーが、未勝利馬時代以来という1400mの距離でJpn1タイトルを獲得。新境地をひらくと同時に、この勝利で獲得したG1/Jpn1タイトル数はヴァーミリアンと肩を並べる9勝目となった。
「前走(マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1))くらい走ってくれたら、人気には応えてくれるのではないか、そう思っていました」とレースをふりかえったのは同馬を生産した幾千世牧場の鹿戸照美代表だ。その前走は、休み明けながらも、のちにJBCクラシック(Jpn1)を勝つホッコータルマエを相手に堂々の逃げ切り勝ち。改めて愛馬の強さとタフさに感心しきり。
この日は競馬の祭典らしく大勢の友人たちと愛馬の応援に出かけたという。レース前のパドックでは、休み明けを1度使われてプラス6キロ。数字は増えていたが、引き締まり迫力を増した馬体でパドックを周回する愛馬に安心感さえ覚えたという。そして、ダートコースでは初めての距離、初めての競馬場ということを感じさせない安定感たっぷりのレース内容で、4コーナー先頭から堂々と力で押し切った。
「もう牧場時代のことはすべて話尽くした(笑い)」という鹿戸さん。思い出すのは「健康で、欠点のない馬」ということばかり。初めてのG1/Jpn1勝利(09年かしわ記念(Jpn1))は3歳年上のカネヒキリを相手にしたもので、前走のマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)は4歳年下のホッコータルマエをやぶったもの。この馬が積み上げたひとつひとつのレースがかけがえのない思い出だ。「牧場にいたのはずいぶんと前のことになりますので、今では自分の手がけた馬というよりもたくさんのファンに愛されている馬という思いです」という鹿戸さんが「最後に託したい思い」というのは、まだどの馬もなし得ていない3度目のJRA賞最優秀ダートホースのタイトルだ。
「6歳のときもジャパンCダート(G1)を勝てばチャンスがあると思いましたが、今年もジャパンCダート(G1)に勝てば可能性は広がると思います。年齢的にも最後のチャンスだと思いますので頑張ってほしい」とエールを送っている。