2013年11月03日 AR共和国杯 G2
優勝馬:アスカクリチャン
プロフィール
- 生年月日
- 2007年04月11日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:37戦7勝
- 総収得賞金
- 240,834,000円
- 母 (母父)
- ローレルワルツ by ダイナレター
- 馬主
- 栗本 博晴
- 生産者
- つつみ牧場 (新冠)
- 調教師
- 須貝 尚介
- 騎手
- 戸崎 圭太
伝統のハンデ戦「第51回アルゼンチン共和国杯(G2)」は、中団のインでじっくりと脚を溜めた7番人気のアスカクリチャン(牡6歳)が、先に抜け出したルルーシュをインから交わして先頭ゴールイン。昨年の七夕賞(G3)に続いて2つめの重賞制覇を記録した。
アスカクリチャンを生産したつつみ牧場は、新冠のサラブレッド銀座と呼ばれる牧場エリアのなかほどにある個人牧場だ。1960年頃に、現代表俊昭さんの父康男さんによってスタートしたという。現在は約10ヘクタールの土地に繁殖牝馬は約5頭。場主の堤俊昭さんと、その家族。堤さんが信頼するスタッフ1名でていねいな馬づくりをモットーとしている。
堤代表は柔和な笑顔を広げながら「当日はテレビで応援しておりました。距離とか夏の疲労とかいろいろ心配な面もあり、当日の人気はあまりなかったですけど、生産者っていうのはいつも自分の馬は応援しているし、期待しているんですよ」と話してくれた。
愛馬の勝利を確信したのは、先頭に立ったとき。「七夕賞(G3)の時も申し上げた記憶があるのですが、アスカクリチャンっていう馬は、最後まで諦めずに頑張ってくれる馬なんです。今回を含めて37戦。そのほとんどのレースで4コーナーをまわるときの位置よりも、前でゴールしているんです」といい「七夕賞(G3)のときはハナ差でしたけど、今回は1馬身以上ありましたから、少しは余裕がありましたが、それでもゴールするまではヒヤヒヤでしたけど」と周囲を笑わせた。
新聞などでも報じられているように、アスカクリチャンは2008年のオータムセールにおいて210万円(税込)で取引された馬だ。
「馬体のバランスは良く、そういう意味では自信をもっての上場でしたが、オータムセールの頃はまだ小さな馬でした。そういう馬でしたから、買っていただいた馬主さんには感謝しております」という。
「こんなに活躍してくれたことでセールプライスのこと(210万円)や血統のこと。いろいろ言われますけど、どんな形でも競馬を盛り上げてくれれば嬉しいですし、生産者としてはこの馬が活躍することによって市場にも目が向いてくれれば、本当に嬉しいことです」という。
そして、堤さんにとってもうひとつ嬉しいことが。
アスカクリチャンの半弟で、北海道競馬に移籍したウルトラカイザー(5歳、父レギュラーメンバー)が1年以上の休養を経て門別競馬場で行われたディープインパクト・プレミアム競走を快勝した。「ウルトラカイザーっていう馬は本当に柔らかい馬でした。慢性的な脚部不安で順調に使い込めない馬ですが、レースのあとも順調だと聞いています。中央、地方と活躍の場は異なりますが、2頭とも頑張ってほしい」と声援を送っている。