重賞ウィナーレポート

2013年10月13日 秋華賞 G1

2013年10月13日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:メイショウマンボ

プロフィール

生年月日
2010年02月25日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:9戦5勝
総収得賞金
435,195,000円
スズカマンボ
母 (母父)
メイショウモモカ  by  グラスワンダー(USA)
馬主
松本 好雄
生産者
高昭牧場 (荻伏)
調教師
飯田 明弘
騎手
武 幸四郎
  • メイショウマンボの活躍でスタッフの士気も高まっている
    メイショウマンボの活躍でスタッフの士気も高まっている
  • 松本好雄オーナーから送られたお祝い
    松本好雄オーナーから送られたお祝い
  • 優勝レイはこれからも増えそうだ
    優勝レイはこれからも増えそうだ

 牝馬三冠レースの最終戦、第18回秋華賞(G1)は、3番人気のメイショウマンボが鮮やかな差し切り勝ちを収め、オークス(G1)に続き牝馬二冠を達成した。

 メイショウマンボの故郷は、浦河町の高昭牧場。上山泰憲社長は松本好雄オーナーと共に淀のターフを先頭で駆け抜ける愛馬を見守っていた。

 上山社長は「良い夏を過ごせたな、というのが第一印象。一夏超えて体が締まり、休養明けで臨んだローズS(G2)の一叩きで走れる状態に仕上がっていると思いました」と成長を感じていた。また、オーナーとは「オークス(G1)の時は全員感涙してしまったので、今回は泣かないようにしようね」と“取り決め”を行ったそうだ。

 いつも通り後方待機でレースを進め、外目を通って徐々に進出。4コーナーを回ってから末脚を爆発させる横綱相撲で栄光を手にした。

 「自分は本当に幸運だと思います。松本好雄オーナー、飯田明弘調教師と共に祖母メイショウアヤメ、母メイショウモモカと3代に渡って携われたこと、秋華賞(G1)当日にはスズカマンボの永井啓弍オーナーからも激励していただきました。そしてうちの牧場スタッフ、我が事のように一緒に喜んでくれる生産者の仲間たち…。人に恵まれ、馬にも恵まれ、こんな嬉しいことはないと痛感しています」と上山社長は目を細めた。

 そして牧場に戻り、たくさんのお祝いの品を持って駆け付けてくれたのはメイショウアヤメ、モモカ母娘の生産者、寺越政幸さんだった。寺越さんはメイショウサムソンの母マイヴィヴィアンの生産牧場でもあり“メイショウ活躍馬”たちの陰の立役者だ。

 メイショウマンボの祖母、メイショウアヤメは寺越政幸さんの牧場で誕生したのち、高昭牧場で育成を行った。小倉の新馬戦を7馬身差で圧勝し、つづくフェニックス賞(OP)も9馬身の差を付けて優勝。桜花賞(G1)まで駒を進めた活躍馬だった。アヤメの初仔として誕生したメイショウモモカも高昭牧場で育成した1頭。「祖母も母も、素晴らしい能力の持ち主でしたが気性が勝ってしまい、本領を発揮できぬまま引退になってしまった。大人し過ぎてもダメだし、激し過ぎてもダメ。この牝系と長く付き合う中で生まれたメイショウマンボは、丈夫で前向きな気性をしていました」と振り返った。

 メイショウマンボの次走は、3歳代表として古馬に挑むエリザベス女王杯(G1)。しかし、上山社長はその先にあるもっと広いステージを見据えている。

 「メイショウサムソンが凱旋門賞(G1)に挑戦した時、松本オーナーと現地で応援させてもらいました。夢のような空間で、いつかこの舞台に生産馬を送り出したいと強く思ったんです。あれから5年、その目標を現実としてくれそうな馬と出逢えた。どんどん強くなるマンボを頼もしく感じています」と目を輝かせた。日本でのタイトルをきっちり手中に収め、世界へ飛び立ってくれるだろう。