2013年09月29日 スプリンターズS G1
優勝馬:ロードカナロア
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月11日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦11勝
- 総収得賞金
- 669,958,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- レディブラッサム by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) ロードホースクラブ
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 岩田 康誠
今年初の敗戦、そして昨年のスプリンターズS(G1)からの連勝がセントウルS(G2)で止まったものの、ファンはロードカナロアを単勝1.3倍という圧倒的な1番人気で迎え入れた。
その支持の高さだけでなく、もう一つのプレッシャーを感じながらレースを見ていたのが、ケイアイファームの中村智幸取締役だった。
「昨年もセントウルS(G2)は敗れていますが、その時とは違ってもう負けてはいけない馬だと思っていました。レースの後、これで負けたら引退ということを知りましたが、自分としてもこのレースに負けた時には今後のことを考えなくてはいけないと思っていました」
スタート後、ダッシュが付かなかったロードカナロアは、前走とは違って中団でレースを進めて行くこととなる。レースを引っ張るのは前走で逃げ切りを許したハクサンムーン。ロードカナロアとの差は6馬身から7馬身。前走より離されたその距離を、ロードカナロアは一歩、また一歩と詰めていく。
「気が勝った馬が多いスプリンターにも関わらず、折り合いが付き、自在性があるのがロードカナロアの長所だと思います。道中はあの位置から前を交わすのは難しいのではと思っていたのですが、坂を登り切っても勢いが衰えなかった時には勝てるのではないかと思いました」(中村取締役)
ロードカナロアがハクサンムーンを交わしたのは、ゴール板の手前に入ってから。「ハクサンムーンも強い馬ですし、やはりスプリント界ではトップホースだと思いました」と中村取締役は話すが、それすら交わしてしまうロードカナロアはスーパーホースだとも言える。
スーパーホースの兄弟となる産駒は、残念ながら今年はいないが、母のレディブラッサムは現在、お腹の中にディープインパクトの産駒を受胎。ロードカナロアの兄弟というだけでなく、現在のニックスと言える「父ディープインパクト×母父Storm Cat」も成立しているだけに、その前途は計り知れない。
スプリンターズS(G1)の後のローテーションだが、この度、昨年も勝利した香港スプリント(G1)となることが発表。このレースがロードカナロアにとってラストランとなる。
「改めて成績を見直しても凄いとしか言いようがないですし、作りたくても作れない馬だと思います。これも『無事此名馬』という成績を残してくれた厩舎の皆さんのおかげですし、我々としては次に続く馬を送り出していきたいです」(中村取締役)
JRA所属馬で今年、G1レースで3勝をあげているのはロードカナロアだけ。そこに国際的な評価も高い香港スプリント(G1)の勝利も加わってくれば、当確となってきた感もある。JRA年度代表馬のタイトルは、確定の赤ランプへと変わって行くはず。ロードカナロアが名実共に、日本競馬界を代表する名馬となる日はもうすぐそこまで来ている。