重賞ウィナーレポート

2013年09月01日 新潟記念 G3

2013年09月01日 新潟競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コスモネモシン

プロフィール

生年月日
2007年03月11日 06歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:29戦3勝
総収得賞金
212,418,000円
ゼンノロブロイ
母 (母父)
デュプレ(GB)  by  Singspiel(IRE)
馬主
(有) ビッグレッドファーム
生産者
富田 恭司 (様似)
調教師
清水 英克
騎手
松岡 正海
  • コスモネモシンの半妹(父ハイアーゲーム)
    コスモネモシンの半妹(父ハイアーゲーム)
  • 掃除が行き届いた厩舎
    掃除が行き届いた厩舎
  • 牧場エントランス
    牧場エントランス

 長い々々新潟競馬場の直線659mの先には3年8か月ぶりの重賞Vがあった。

 「第49回新潟記念(G3)」を制したのは10番人気のコスモネモシン。レースの前半は後方に位置していたが、直線はインコースを突いて進出。逃げた8番人気のエクスペディションとの400mにわたる叩き合いを制して優勝した。

 「3年8か月前のフェアリーS(G3)のときもびっくりしましたけど、今回もびっくりです」と声を弾ませたのはコスモネモシンを生産した富田恭司さん。当日はサマーセールで売却した馬をビッグレッドファームへ移動させる日。嬉しい報告は帰りの車の中で聞いたという。

 「今年の夏に函館競馬場でビッグレッドファームの岡田紘和さんから『もうひとつ勝たせたい』という話をいただいたんです。休み明けの成績があまりに悪かったので、そのときは半信半疑だったのですが、何かを感じてくださっていたんですね。嬉しいです」とまだ信じられないといったような表情で愛馬の健闘をたたえた。

 富田さんの牧場がある様似地区は、馬産地日高の東部の位置にあり、新千歳空港から向かうと車で約3時間弱。浦河地区よりもさらに襟裳寄りにあって日高管内7町区の中では生産頭数の多い地域ではないが、それでもダービー馬カツトップエースや菊花賞馬インターグシケン、エリザベス女王杯(G1)優勝のキョウエイタップなどを送り出している。

 その様似地区で有数の歴史を誇る富田さんの牧場は南関東の活躍馬ヒカリルーファスや現在は札幌競馬場で誘導馬を務める重賞2勝馬マイネルスケルツィなどを送り出している牧場だ。

 「牧場時代のコスモネモシンは、やや小柄ということもあって決して目立つような馬ではありませんでした。でも幅があって、健康的な馬だったと記憶しています」と牧場時代のことを話してくれた。その言葉どおりにデビュー5戦目の重賞勝ちからここまで25戦をオープンクラスでタフに戦い抜いてきた。

 「母のデュプレは、2005年の英国タタソールズの繁殖牝馬セールで購入した馬です。その2番仔になるコスモネモシンですが、1歳夏の時点ではなかなか背が伸びずに苦悩しました。ですから、せりで売れたときは嬉しかったです。その馬が今では460キロ台。今でも大柄とはいえませんが、母デュプレの成長力を示してくれたことも嬉しいです」という。

 「1歳にはパイロの子がいて、今年はハイアーゲームの子が生まれています。どちらも順調に育っていると思いますし、現在はロージズインメイの子を受胎しています。ほとんど休みなく生んでくれるのは嬉しいのですが、7産連続で牝馬を生んでいるんです。そろそろ男の子を生んでほしいです」とこの部分だけは苦笑いし「生産者として、いつかはG1競走に勝ってみたい。自分なんかでは無理かなぁと思う反面、あきらめずに続けていけば可能性はゼロではない。コスモネモシンにそういうことを教えてもらいました。自分も目標を失わずに頑張ります」と決意を新たにしていた。