フォーエバーマークの牧場内でのあだ名を聞いて驚いた。その名前は「マー君」。マー君と言えば、楽天ゴールデンイーグルスのエースで、今年、日本プロ野球新記録となる開幕19連勝(9月5日時点)をあげた田中将大投手のニックネーム。しかも牝馬であるフォーエバーマークには似つかわしくないニックネームかと思いきや、その理由を聞いて納得がいった。

　「フォーエバーマークは良い意味で心身ともに牡馬のような逞しさがあり、また球界の大エースとなった若き右腕にあやかって、牧場では『マー君』と呼んでいます」とは社台ファームの斎藤孝調教主任。駒大苫小牧高校では甲子園の優勝投手に輝くなど、早い時期から才能を開花させていたマー君と同じように、社台ファームの『マー君』もまた、才気溢れる動きを見せていた。

　「騎乗育成を始めた頃から走りに対して前向きでしたし、何よりも反応の良さは抜群でした」(斎藤調教主任)

　フォーエバーマークは09年のセレクトセール1歳セクションの取引馬。オーナーとなった青山洋一氏は、牧場にも頻繁に足を運び、フォーエバーマークを始めとする所有馬を見にきた際に、スタッフ全員に分け隔てなく、ねぎらいの言葉を贈っていたという。

　「表彰式で青山オーナーのとびきりの笑顔を見てこちらまで笑顔になりましたし、管理をしていただいている矢野調教師の涙や、鞍上を務めてくれた村田騎手のガッツポーズなど、その時の光景全てが、感動的だと思える素晴らしい勝利となりました」(斎藤調教主任)

　マー君がまだまだ連勝記録を伸ばしていく中、これが初めての重賞制覇となった競馬界の『マー君』もまた、今後、どれだけ連勝記録を伸ばしていくか楽しみである。