2013年08月04日 小倉記念 G3
優勝馬:メイショウナルト
プロフィール
- 生年月日
- 2008年02月10日 05歳
- 性別/毛色
- せん/鹿毛
- 戦績
- 国内:18戦5勝
- 総収得賞金
- 222,205,000円
- 父
- ハーツクライ
- 母 (母父)
- スターペスミツコ by カーネギー(IRE)
- 馬主
- 松本 好雄
- 生産者
- 鎌田 正嗣 (浦河)
- 調教師
- 武田 博
- 騎手
- 武 豊
サマー2000シリーズの第3戦は、農林水産省賞典第49回小倉記念(G3)。小倉競馬場で行われる重賞競走でもっとも歴史が古く、真夏の九州中距離王決定戦であると同時に2006年優勝馬スウィフトカレントや2008年優勝のドリームジャーニーなど、このレースをステップに秋に活躍した馬も多い。
優勝したのは浦河町の鎌田正嗣さん生産で3番人気のメイショウナルト(セ5歳)だった。好天に恵まれたこの日、北海道日高の馬産地では牧草の収穫が最盛期を迎えており、鎌田正嗣さんも愛馬の出走時間を気にしながらの収穫作業に追われていたという。「たくさんの方から応援をいただき人気(3番人気)にはしていただいてましたが、休み明け5戦目で前走は準オープン特別で負けてしまっている馬です。この馬のために一生懸命に工夫してくださっている厩舎の方々のために頑張ってほしいという気持ちで応援させてもらいました」と当日を語ってくれた。とはいうものの、レース時間ぎりぎりまで牧草作業に追われていた鎌田さんが高い人気を知ったのは、直前だったという。
そんな思いでテレビ観戦していた生産者を、良い意味で裏切る優勝。レコードタイムのおまけまでついた。「仕掛けるタイミングも、コース取りも最高だったと思います。嬉しいというよりも感謝したい気持ちです。もともと期待の大きな馬でしたから、こうして結果を残すことができて嬉しいです」と笑顔になった。
母スターペスミツコも鎌田さんの生産馬だ。「牧場ゆかりの血統ということを馬主さんにご理解をいただき、繁殖牝馬として戻ってくれたことも嬉しいです。大切にしたかった」と、初年度の配合相手に選んだのはサンデーサイレンス系ハーツクライだった。「このときはディープインパクトが高額シンジケートでスタッドインで話題になった年でしたが、でも僕らのような生産者が容易に手を出せる種付料ではありません(笑)。それでもサンデーサイレンスの血が欲しくて選んだのが、サンデーサイレンス系の中でも比較的距離をこなしたハーツクライでした。ぼくは、長い距離をこなせるような馬が好きなんですよ」という。血統表をみれば、母のスターペスミツコの父は凱旋門賞優勝馬のカーネギー。祖母マーチンミユキの父は菊花賞馬の父マルゼンスキー。その前には天皇賞(春)(G1)優勝馬の父ダイアトムの血も入っている。
資料によれば、メイショウナルトの弟、妹はハーツクライやゼンノロブロイ、ネオユニヴァースといったサンデーサイレンス系でクラシックディスタンスに強い馬が並んでいる。そのうちの1頭ネオユニヴァースの当歳は、今年のセレクトセールでカタールのファハド殿下のレーシングマネージャーであるデヴィッド・レドヴァーズ氏によって購買されている。
「それでも2歳の早い時期に短い距離で活躍してくれたあたりが、競走馬というか血統の奥深いところだと思います。セレクトセールでも高い評価をいただきましたし、結果を出せないときでもいろいろ工夫いただき、こうしてまた結果を残すことができました。携わったみなさんのおかげです」と感謝という言葉を重ねている。