2013年07月28日 アイビスサマーダッシュ G3
優勝馬:ハクサンムーン
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月14日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:16戦6勝
- 総収得賞金
- 370,109,000円
- 馬主
- 河崎 五市
- 生産者
- 白井牧場 (門別)
- 調教師
- 西園 正都
- 騎手
- 酒井 学
中央競馬で唯一となる芝1000直の重賞レース、アイビスサマーダッシュ(G3)は今年も快速自慢の18頭がエントリー。1番人気に推されたハクサンムーンが外ラチ沿いを先頭で駆け抜け、昨年の京阪杯(G3)に続く重賞2勝目を飾った。
ハクサンムーンの故郷は日高町の白井牧場。97年の桜花賞馬、チアズグレイスや92年のフェブラリーS(G1)を制したグルメフロンティアなどこれまでもコンスタントに活躍馬を送り出して来た名門牧場だ。
当日は繁殖スタッフが現地へ応援に行き、牧場でレースを観戦した久杉倫紀場長は「昨年初挑戦した同レースでは勝ったと思ったところへ足元をすくわれて4着と悔しい思いをしましたから、なんとかリベンジしてもらいたかったですね。レースは牧場で見ていましたが、パドックの感じはいつもと変わらず調子が良さそうでしたし、不安はありませんでした」と生産馬の出来に自信を持っていた。「この血統は我が強い馬が多く、ハクサンムーンも頑固なところがある馬でした。後から競馬場へ行っていたスタッフに聞いたのですが、馬場入りを嫌がって駄々をこねたらしいんですよ。現場はどうなることかとヒヤヒヤしたらしいですが、そこで肩の力が抜けてレースはリラックスして走れていたから、結果良ければ全て良しですね」と笑った。
本馬の母、チリエージェはJRA5勝、4代母ミスゲランから同牧場の生産馬となり、30年来牧場の屋台骨を支えて来た。
「基本的に気が強く、好き嫌いが激しい。難しい気性の部類だと思いますが、この系統とは付き合いも長いですし、対処できる範囲です。この激しさがなければスピード決戦のレースを制することも出来なかったと思いますしね。チリエージェの産駒は種馬によってバラバラなので父を出している印象ですが、唯一の共通点、トモの立派な造りは母そのもの。自身の一番のアピールポイントをしっかり産駒に受け継いでいる理想的な繁殖牝馬です」と説明してくれた。
今年、母の隣にはハクサンムーンの全弟となる父アドマイヤムーンの当歳が寄り添っている。兄同様、セレクトセール・当歳セクションに上場され、6300万円(税込)で落札と高い評価を得た。「現時点では同時期のハクサンムーンより完成度が高いです。これからどう成長してくれるか楽しみな1頭です」と久杉場長は胸を張った。
CBC賞(G3)2着から今回の勝利でサマースプリントシリーズのトップに立ったハクサンムーン。狙うは夏のスプリント王、そしてその先にあるG1制覇だ。
「距離は短いですが、毎回あれだけのスピードをフル回転させて走るスプリント戦ですから、消耗も激しいと思います。とにかく無事に、息の長い活躍を期待したいです。その上でG1という大きな勲章を取れれば嬉しいですね」と故郷からエールを送った。