2013年06月26日 帝王賞(中央交流) Jpn1
優勝馬:ホッコータルマエ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年05月26日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:18戦9勝
- 総収得賞金
- 1,078,706,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- マダムチェロキー by Cherokee Run(USA)
- 馬主
- 矢部 幸一
- 生産者
- 市川フアーム (荻伏)
- 調教師
- 西浦 勝一
- 騎手
- 幸 英明
可能な限りの現役砂巧者が集まり、南関東の大井競馬場を舞台にしたダート最強馬決定戦。そんな様相となった第36回帝王賞(Jpn1)で、圧巻の強さを見せたのが4歳馬ホッコータルマエだった。当日は3番人気の評価に甘んじたが、これで重賞5連勝。現役最強ダート馬へ力強く名乗りをあげた。
同馬を生産したのは浦河町の市川ファーム。4代目当主の市川久さんが当日の様子などを話してくれた。「レースの前は、心配なことばかりです。昨年秋からずっと使ってきているので疲れてはいないかとか、ナイター競馬に戸惑わないかなとか、不良馬場のレースは経験がないだけにこの馬にとってプラスなのかマイナスなのか。もちろん、勝って欲しいとは思っていましたが、力関係はどうなのか。どの馬も条件は同じだと思っていても、やっぱり気になりました。パドックではほかの馬が落ち着いているけどウチの馬はチャカチャカしているなぁとか。生産者ってそんなものだと思いますよ」と当日の思いを交えながら、記憶の糸をたどってくれた。
そんな生産者の心配をよそに、逃げるワンダーアキュート、2番手を進むニホンピロアワーズを見るような位置でレースを進めたホッコータルマエは、4コーナーで先行集団を射程圏内に収めると残り100m標識あたりで先頭に躍り出て、粘ろうとするニホンピロアワーズを突き放し、後続の追撃を封じ込めた。
「レース前、今日のメンバーで1番強いと思ったにはニホンピロアワーズでした。アンタレスS(G3)で先着しているとはいえ、あのときは2キロ差でしたし、実際、1番人気になっていました。今回は同斤量で、あの競馬。馬を褒めてあげたいと思うと同時に、この馬の関係者でいられたことに感謝したい、そんな気持ちです」とレースをふりかえった。
「ふるさと案内所の方々には何度もお話していますが、生まれが遅いこともあって牧場時代はさほど目立つ存在ではなかったです。でも、けがや病気とは無縁な、健康な馬でした。今のこの馬があるのは、育成牧場や厩舎スタッフが大切に育ててくれたからだと思っています」と感謝の言葉を口にした。
「母マダムチェロキーは、友人の生産馬です。その母アンフォイルドを購入するとき、一緒にアメリカで馬を見るなどの縁もあって購入したのですが、競走馬としてもタフに走って4勝をしてくれました」と嬉しそう。現役引退後は市川ファームで繁殖牝馬となって2番仔としてホッコータルマエを生んでくれた。
「そういう子が大きなレースで勝ってくれたことは、生産者としては胸を張れることだと思っています」と喜びを噛みしめ「生産者の立場として応援するだけですが、これから先、どこまで強い競馬を見せてくれるのかも楽しみです」と期待に胸を膨らませている。