2013年07月07日 七夕賞 G3
優勝馬:マイネルラクリマ
プロフィール
- 生年月日
- 2008年02月20日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:17戦5勝
- 総収得賞金
- 329,546,000円
- 母 (母父)
- ティアドロップス by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- (株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
- 生産者
- 武 牧場 (静内)
- 調教師
- 上原 博之
- 騎手
- 柴田 大知
2002年以来の七夕開催となった七夕賞(G3)はマイネルラクリマが早目先頭から押し切り、重賞2勝目を飾った。
本馬の生産は新ひだか町静内の武牧場。桜並木で有名な二十間道路沿いにあり、過去には菊花賞馬スリーロールス、芝短距離で活躍したブルーショットガン、平地・障害で重賞出走を果たすシゲルキョクチョウらを生産している。繁殖牝馬16頭、スタッフ7名が働いている。
「長期休養からよく復活してくれました。脚にボルトが入っている状態ですから、頭が下がります。重いハンデも、1番人気不振のジンクスも破って、強い勝ち方をしてくれました。直線ではもう先頭に立ったので、ちょっと早いかなとも思いましたが、持ち味を最大限に引き出す結果となりましたね。柴田大知騎手とも手が合っているのでしょう。最後のガッツポーズ、とても印象的でした。」と、勝利の感想を語ってくれたのは、同牧場の山ノ井紀明場長。レース当日はちょうど本馬の半妹・1歳のセレクトセール上場(事前下見日)と重なり、セール会場内のモニターでスタッフと観戦していた。「上場前の絶好機に勝ってくれました。会場内でも“おめでとう”と声をかけられて、嬉しかったです。」と、慌ただしい一日を振り返る。
オータムセール・当歳取引馬の本馬は、生後まもない頃から素質を光らせた一頭だった。「筋肉質ながらも馬体に伸びがあり、気性も従順。同世代の中では目立つ一頭でした。」と、山ノ井場長は牧場時代を伝える。自信を持ってセールに送り出し、840万円(税込)で(有)ビッグレッドファームが落札した。同セール中(当歳馬)では2番目タイの高い値だった。今回の勝利で獲得賞金は2億円近くに達し、今年のサマーセールのカタログには、本馬の功績がカラーページで紹介されている。
本馬の母ティアドロップスはサンデーサイレンス直仔で、現役時代は不出走。母系を遡ると、クラシックに駒を進めたクロフネサプライズやダンディコマンドの名が出る。同牧場では2008年から4シーズン繁殖生活を送り、本馬の半妹(牝1歳、父クロフネ)は前述の通り今年のセレクトセールに上場した。山ノ井場長によれば、「1歳は背丈があって、手先の軽い馬ですね。バネもありますし、芝適性も感じます。走っている血統ですし、当然期待は大きいです。」とのこと。セールではレオアクティブ、レオマイスターらの馬主として知られる(株)レオが1,575万円で落札した。1歳馬は現在、同牧場を巣立ち、育成牧場で中期育成が進められている。
4歳1月に重賞馬の仲間入りをした矢先、左第3中足骨々折を発症のために手術。それから約1年半ぶりの重賞制覇は、本馬飛躍の道すじに光を射す。山ノ井場長は、「これからも無事に走ってきて欲しいです。マイルも中距離もこなせる馬ですし、小回りでも、広いコースでも結果を出していますからね。G1出走となれば、都合がつけば応援に行きたいと思います。」と、先を見据える。スリーロールス以来の生産馬G1制覇へ、本馬の持つ不屈の闘志が頼もしい。ケガを乗り越えての復活劇は、更に力強く描かれていく。