2013年07月02日 秋桜読売レディス杯(GDJ)
優勝馬:センゲンコスモ
プロフィール
- 生年月日
- 2007年05月05日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/青毛
- 戦績
- 国内:44戦13勝
- 総収得賞金
- 46,814,000円
- 母 (母父)
- トーホウフローラ(USA) by Vicar(USA)
- 馬主
- 石川 雅博
- 生産者
- 竹島 幸治 (門別)
- 調教師
- 内田 勝義
- 騎手
- 吉原 寛人
「グランダム・ジャパン2013」古馬シーズンの初戦「読売レディス杯(金沢)」を、川崎から遠征してきたセンゲンコスモが制した。同じく南関東の大井から遠征してきたメビュースラブとの激しい叩き合いをアタマ差制し、6歳にして重賞初制覇を成し遂げた。
センゲンコスモの生産者は、日高町庫富の竹島幸治さん。過去の生産馬には、2008年のマーメイドS(G3)優勝馬トーホウシャインや、2010年のマリーンC(Jpn3)優勝馬トーホウドルチェなどがいる。
「昨年2着のリベンジを見事に果たしてくれましたね。前々走のしらさぎ賞(2着)の内容から、6歳の今年も十分やれると思っていました。待ちに待った重賞制覇です」と、生産者の竹島幸治さん。これまで重賞で2着2回、3着2回とあと一歩のレースを繰り返していただけに、感慨深い表情でその喜びを表現してくれた。
センゲンコスモの父は、2001年、2002年と2年続けてNARグランプリ年度代表馬となった岩手の英雄トーホウエンペラー。牧場が長いお付き合いをしている東豊物産の所有馬で、竹島さんの思い入れも深い。「エンペラーのレースは、競馬場へよく応援に行きました。ゲートインすると気持ちが入る馬で、それまでは意外なほどのんびりした様子なんですよね。自分のやるべきことをよく理解していました」と、トーホウエンペラーの現役時代を懐かしげに振り返る。「日本で大成功したブライアンズタイムの血統でもあり、種牡馬としても大きな期待を懸けています。エンペラーの産駒は総じて食欲があり、レース後もカイ食いが落ちずに、遠征競馬でも力を発揮できています。センゲンコスモも、デビュー時から60kg以上も馬体重が増えていますしね。環境の変化に動じないところや頭の良さは、父の現役時代と重なります」と、ブライアンズタイムの血を後世へつないでいく種牡馬としても、トーホウエンペラーを高く評価している。
一方の母トーホウフローラは、米国トレーニングセール出身馬。3歳秋までデビューが遅れたが、名古屋競馬で2連勝を果たして素質を垣間見せると、中央競馬へ移籍。しかし、500万下で2ケタ着順が続き、4歳春に早々と引退して繁殖牝馬となった。「母のトーホウフローラは、競走成績こそ優れませんでしたが、馬体そのものは良かったので、繁殖牝馬として結果を出せると思いました。普段はおとなしいのですが、スイッチが入ると気の強い面が現れます。出産が近くなると絶えず動き回っているので、仔が生まれてくるタイミングを計るのに注意しています」と母の繁殖生活を紹介。
その母トーホウフローラの初仔として生まれたセンゲンコスモの牧場時代は、「初仔だったので体つきは小さかったですが、父の産駒らしく食欲がありました。時々見せる自己主張するような気性は、母に似たのだと思います」と振り返ってくれた。
その後もトーホウフローラは順調に出産を続け、これまでに5頭の産駒を誕生させている。「現在2歳の牡馬(父トーホウエンペラー)は小国ステーブル(サクセスブロッケンやラブミーチャンの育成牧場)で育成され、中央デビューの予定です。1歳の牝馬(父スクリーンヒーロー)は牧場にいるのですが、馬格があって大きく育っていってくれそうです。雰囲気はセンゲンコスモに似ていますね」と弟妹の活躍にも期待を懸ける。今年はシニスターミニスターを交配し、無事に受胎したそうだ。
残念ながらセンゲンコスモは、このレースの後に骨折を発症。現在は同牧場で休養し、回復に向かっているという。「ケガの具合を見ながら、復帰を目指します。また来年のグラダム・ジャパンシリーズに挑戦できるよう、じっくり治していきたいです」と、竹島さんも気持ちを切り替えて前を向く。2歳からほぼ休みなく43戦を駆け抜けてきたセンゲンコスモ。これを良い休養として、またグランダム・ジャパンの舞台へ帰ってきてほしい。