2013年06月09日 エプソムC G3
優勝馬:クラレント
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月02日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:14戦5勝
- 総収得賞金
- 408,860,000円
- 母 (母父)
- エリモピクシー by ダンシングブレーヴ(USA)
- 馬主
- 前田 晋二
- 生産者
- ノースヒルズマネジメント (新冠)
- 調教師
- 橋口 弘次郎
- 騎手
- 岩田 康誠
東京競馬場で行われた芝重賞、エプソムカップ(G3)は4歳馬クラレントが2番手から抜け出し、4つ目の重賞タイトルを獲得した。
本馬の生産は新冠町のノースヒルズ。現役で走っている生産馬には、今年の日本ダービー馬キズナをはじめ、天皇賞馬ビートブラック、国内外の実績が光るトレイルブレイザー、ダコール、ヒットザターゲット、ブライトラインといったオープン馬が並ぶ。
「重賞を勝つことができて大変嬉しいです。東京コースは昨年も重賞を制しており、クラレントに合っている舞台の一つなのだと思います。最後は接戦になりましたが、岩田騎手の気迫に馬自身がよく応えてくれましたね。岩田騎手はレース後、“G1を勝てる器”と絶賛してくれましたし、更に期待が膨らみます。マイル重賞で結果を出している馬ですが、今回は1ハロン長い重賞で優勝できましたので、レースの選択肢を広げる一戦にもなったと思います。」と、勝利の感想を語ってくれたのは、同牧場ゼネラルマネージャーの福田洋志さん。6月までは出産・種付シーズン終盤につき、牧場の皆さんは北海道から声援を送っていた。キズナで制したダービー後、翌週の東京土曜メインレースをブライトラインが逃げ切り、その翌週は本馬が東京日曜メインレースで先頭ゴール。初夏の府中に、水色と赤の勝負服が鮮やかに際立っている。
父ダンスインザダーク、母エリモピクシー、母の父ダンシングブレーヴという血統の本馬は、2009年3月2日に誕生した。母エリモピクシーは現役時代7勝をマークし、重賞戦線でも活躍。繁殖牝馬としても初仔のリディルがスワンS(G2)とデイリー杯2歳S(Jpn2)を制し、素晴らしい成績を残している。牧場時代の本馬については、「品があり、父ダンスインザダーク譲りの脚長な馬でした。1歳時に疝痛のため開腹手術を施しましたが、多くの皆さまのおかげで、心身ともに強く成長してくれました。生命力に富んだ馬です。」と、福田さんは思い返す。幼少期の過程は、闘争心にあふれた現在の姿に、ひと際感慨をもたらしている。
開腹手術後の経過は良好で、たくましくデビューへの道のりを歩んだ本馬は、2歳7月に早々と初勝利を挙げ、10月にはデイリー杯2歳S(G2)で兄弟重賞Vを果たした。その後はG1に駒を進め、3歳春のNHKマイルカップ(G1)ではカレンブラックヒルの3着に好走した。休養を挟んで3歳秋以降はマイル前後のレースに照準を定め、重賞タイトルを3つ積み上げた。層が厚い路線で、選りすぐりのメンバーが集まった決戦の切符は、もう手中にしていると言って良いだろう。
「再びのG1挑戦を楽しみにしています。順調に夏を越して、秋を迎えて欲しいです。」と、福田さんはエールを送る。古馬となって更に進化を感じさせる近走の内容から、チャンピオンホースとなる可能性は十分。満を持して、大舞台の登場を狙う秋が待ち遠しい。