重賞ウィナーレポート

2013年06月01日 鳴尾記念 G3

2013年06月01日 阪神競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トウケイヘイロー

プロフィール

生年月日
2009年04月22日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦6勝
総収得賞金
267,589,000円
ゴールドヘイロー
母 (母父)
ダンスクィーン  by  ミルジヨージ(USA)
馬主
木村 信彦
生産者
中村 和夫 (浦河)
調教師
清水 久詞
騎手
武 豊

 「きっかけ」をつかんだ馬というのは、きまぐれな勝利の女神までもを味方にしてしまうのか。目標にしていた安田記念(G1)を除外されたトウケイヘイローが、武豊騎手騎乗、6番人気で出走した第66回鳴尾記念(G3)に優勝。勝ち時計の1分58秒9は、2000年にダイタクリーヴァが記録したレースレコードを0秒4更新するもの。不安視された距離で、レースレコードを記録した。

 トウケイヘイローは中村和夫さんの生産馬。中村さんは現在、病気療養中のため、愛娘の時子さんに話を伺った。
 開口一番。「(トウケイヘイローの父)ゴールドヘイローは父(中村和夫さん)が心酔している馬ですし、とくにこの馬は、亡くなった母(中村正子さん)が大好きだった馬なんです。それだけに思い入れもありますし、この勝利は本当に嬉しいです」とテレビの画面を通してみた成長した愛馬の活躍を喜ぶコメントをいただいた。

 「今回は初めての距離でもありましたが、心配よりも期待の方が大きかったです。根拠なんかありませんが、今回はレース前からよい競馬をしてくるだろうなという思いがありました。武豊騎手がとても上手に導いてくださっっていたので、手応えよく直線を向いたときにはもう勝利を確信しました」という。

 そんなトウケイヘイローだが、牧場時代はさほど目立つ存在ではなかったらしい。「たくさんのゴールドヘイロー産駒がいましたし、その中には血統的にもっと期待していた馬もいたんです」。とはいうものの、トウケイヘイローの祖母ハイネスポートは、中村さんが所有していたミルジョージを配合するために選んできたノーザンテースト牝馬。母ダンスクィーンは競走馬としては思うような結果を残せなかったが、繁殖牝馬として大きな仕事をしてくれた。

 「育成牧場(日高軽種馬育成公社)に移動してから、馬がどんどんよくなってきたんです。当時、母とは何度か見に行っていますが、そのたびに成長ぶりに目を細めていたのがよい思い出です」。

 その後、現在の馬主さんと巡り合う。「父とほぼ同世代の方ですが、素晴らしい方で、この馬の活躍を心から喜んでくださいます。ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)のときにJRAの重賞を初めて勝ったとおっしゃってましたが、今回は鳴尾記念(G3)の翌日にも同じゴールドヘイローの子が未勝利戦を勝ってくれたんです。その勝利も本当に喜んでくださいました」。

 そして、「ゴールドヘイローの子は早熟で、ダート競馬ばかりという声がありますが、こうして芝の中距離でも強い競馬をしてくれることが証明できてうれしい」と声を弾ませる。そして、成長力を武器に活躍の場を広げているトウケイヘイローの秋は、天皇賞(秋)(G1)を最大目標とするという。

 「最終的には調教師の先生と馬主さんが相談して決めてくださることですが、もしあの舞台に立てることができたら嬉しいですね。そのときはぜひ、応援に行きたいと思っています」と期待に胸を膨らませている。