2013年04月19日 ル・プランタン賞(GDJ)
優勝馬:エイシンルンディー
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月18日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦6勝
- 総収得賞金
- 14,560,000円
- 父
- ゴールドヘイロー
- 母 (母父)
- バーリンスワン(USA) by Peaks and Valleys(USA)
- 馬主
- 清水 晴之
- 生産者
- 城地 清満 (三石)
- 調教師
- 伊藤 強一
- 騎手
- 尾島 徹
『グランダム・ジャパン2013』3歳シーズン第3戦は佐賀競馬場で行われる「ル・プランタン賞」。3年前のエレーヌ(笠松)、一昨年のマンボビーン(兵庫)、そして昨年のメイレディ(兵庫)と、このレースへ遠征して優勝した馬が、3年連続して3歳シーズンのチャンピオンに輝いている。その重要な一戦を今年制したのは、笠松から遠征したエイシンルンディー。4角先頭から押し切る強い競馬で、単勝1.7倍の圧倒的人気に応えた。
エイシンルンディーの生まれ故郷は、新ひだか町三石の城地清満牧場。繁殖牝馬13頭を抱える家族経営の牧場だ。過去の生産馬には、デビューから3連勝を収め阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)へも駒を進めたコスモミール、また古馬となってから中長距離重賞の常連となったアースシンボルらの活躍馬がいる。
春は出産、そして種付けのシーズン。競走馬の生産牧場にとって最も多忙な季節となる。城地さんの牧場も例外ではなかったようで、「レースはリアルタイムで見ることができず、結果は後から知りました。それでも優勝してくれて嬉しいです」と、繁忙期に舞い込んだ朗報に笑みをこぼす。「扱いやすい馬で、体型はやや小柄でした。人間の指示にはしっかり従う一方、馬同士では強かったですね。どちらかと言うと、父親に似ていたと思います」と牧場時代のエイシンルンディーを振り返ってくれた。
エイシンルンディーの母バーリンスワンは、中央競馬で2勝を挙げたのち、川崎、金沢、大井と地方競馬を渡り歩き、41戦5勝の戦績を残した。金沢競馬所属時代には、のちにグランダム・ジャパン古馬シーズンに組み込まれることになる「読売レディス杯」に出走した経歴もある。7歳で引退して繁殖牝馬となり、ゴールドヘイローとの配合で3番仔として生まれてきた牝馬がエイシンルンディーだった。
「以前から配合を決めるのにパソコンを活用していて、毎年秋から冬にかけてじっくりと検討しています。バーリンスワンの血統には、ゴールドヘイローとの掛け合わせでニックスが生まれるとヨミました。狙い通りになってくれましたね」と自信の表情を覗かせる。過去の活躍馬コスモミール(父ヘクタープロテクター×母父リアルシャダイ)、アースシンボル(父トウカイテイオー×母父リアルシャダイ)も、そうして配合の答えを導き出したそうだ。研究を重ねた配合から生まれてきた馬の活躍は、まさに生産者冥利に尽きるだろう。
エイシンルンディーの1歳上には、中央競馬で2勝を挙げている現役馬エーシングリズリー(牡4歳、父ゼンノエルシド)がいるが、母のバーリンスワンはエイシンルンディーから4年連続で牝馬を誕生させている。その配合相手は2歳がサウスヴィグラス、1歳がヴァーミリアン、そして当歳がサウスヴィグラスだというから、もしかすると妹たちがグランダム・ジャパンの舞台で活躍する姿も見られるかもしれない。「2歳はおとなしい気性の馬でした。1歳は気が強くて大きな馬で、エイシンルンディー以上の素質を感じます。生まれたばかりの当歳は元気いっぱい。父に似てスピードがありそうです」と、快速ダート馬との配合で生まれてきた仔たちにも大きな期待をかけている。
「エイシンルンディーも心身ともに立派な馬に成長してくれました。今後の走りが楽しみです。何とかもう1つ勝って、グランダム・ジャパンのチャンピオン争いに食い込んで欲しいです」と城地さんも意欲を見せていた。その後、「留守杯日高賞」は水沢に遠征して2着、「のじぎく賞」は園田へ遠征して7着。僅差ながらポイントトップの座を守り、残すは6月12日のダートグレード「関東オークス(Jpn2・川崎)」のみ。昨年、2年連続で古馬チャンピオンに輝いたエーシンクールディは引退してしまったが、今年からは「エイシン」の冠を持つ牝馬がグランダム・ジャパンの舞台で躍進してくれる予感がする。