重賞ウィナーレポート

2013年04月21日 マイラーズC G2

2013年04月21日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランプリボス

プロフィール

生年月日
2008年03月28日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:18戦6勝
総収得賞金
513,291,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
ロージーミスト  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(株) グランプリ
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
浜中 俊

 マイラーズC(G2)のレース後、グランプリボスを管理する矢作調教師から聞かれた「今年は使うレースを全部勝つぐらいの気持ちです」との言葉。それはノーザンファーム空港牧場でグランプリボスの育成に携わってきた、今井翔一さんも同じ気持ちだった。

 「勝つと思っていました」と話すまで今井さんに自信を深めさせた理由。それはノーザンファームしがらきのスタッフから、グランプリボスの状態の良さを伝える連絡がつぶさに入っていたからである。

 その連絡を今井さんに送っていたのは、ノーザンファームしがらきに勤める川北恭司さん。実は川北さんと今井さんは、ノーザンファーム空港で厩舎長と育成スタッフという関係でもあった。

 「川北さんは、『緩かった印象もあった馬体が、ここに来て前駆と後駆が繋がった感じを受ける』と話していました。そのあとで、『状態は申し分ないし、春は全勝するよ』とも話していたので、安心しながらレースを見ることができました」(今井さん)

 今は所属する牧場が違う2人であるが、グランプリボスのように馬を通して、お互いの仕事を確認する作業は続いている。川北さんが今井さんや調教スタッフが育てた馬に接することで、自分が牧場を離れてからも、これまで以上の仕事が行われていると確認する一方で、今井さんたちも、厩舎へ繋げるバトンを川北さんに安心して渡せるという気持ちもあるのだろう。

 実はグランプリボスは休養明けが得意ではなく、掲示板を外すどころか二桁着順に大敗したこともある。

 「確かに休養明けを得意としていないことは気になりましたが、川北さんから力強い言葉をかけられて、全く心配はなくなりました」(今井さん) グランプリボスを含めたG1馬が3頭、重賞勝ち馬が11頭と豪華なメンバーが揃った今年のマイラーズC(G2)だったが、その中でも重賞4勝、G1 2勝というグランプリボスの実績は抜けていた。

 「スランプに陥ったような時期こそありましたが、矢作厩舎の皆さん、そしてノーザンファームしがらきのスタッフが、いい状態でレースに臨ませてくれているからこそ、古馬となってからも安定したレースができているのだと思います」(今井さん)

 次走は昨年、2着に敗れた安田記念(G1)。今回のレース内容だけでなく、矢作調教師、川北さんが「全部勝つ」と話していた今の充実ぶりからも、勝算はかなり高いと言えそうだ。

 「今回のレースを見て、自信が確信に変わりました。安田記念(G1)はグランプリボスを応援に東京競馬場まで行こうと思っているので、今回のような強い勝ち方を見せてもらいたいです」(今井さん)