2013年03月10日 フィリーズレビュー G2
優勝馬:メイショウマンボ
プロフィール
- 生年月日
- 2010年02月25日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 435,195,000円
- 父
- スズカマンボ
- 母 (母父)
- メイショウモモカ by グラスワンダー(USA)
- 馬主
- 松本 好雄
- 生産者
- 高昭牧場 (荻伏)
- 調教師
- 飯田 明弘
- 騎手
- 川田 将雅
桜花賞(G1)のステップレースで唯一のG2、フィリーズレビュー(G2)はメイショウマンボが中団から弾けるように伸び、ライバルを一気に置き去りにした。
本馬の故郷は浦河町の高昭牧場。過去には1981年のエリザベス女王杯を制したアグネステスコ、フィリーズレビュー(G2)の前身・報知4歳牝馬特別(G2)を制したサイコーキララを生産している。
「嬉しいの一言ですね。桜花賞(G1)への権利も獲れましたし、よく勝ってくれました。」と、喜びを語るのは高昭牧場の上山泰憲社長。レース当日はご自宅で、奥様と一緒に見守っていたという。戦前はクラシック出走が難しい状況だっただけに、本馬の将来に光を射すゴールに胸を躍らせた。
メンコと勝負服をキュートに揃えながら、繰り出した決め脚は強烈だった。競馬史を長く彩る桃色と青のカラーリング=メイショウの冠名で知られる松本好雄オーナー所有馬から、ニューヒロイン誕生を予感させる。「松本好雄オーナー、飯田明弘調教師、力を合わせて代々つなげてきた血統です。20年近く期待をかけてきましたから。」_上山社長はしみじみとその流れを紹介する。
祖母メイショウアヤメは上山社長が育成に携わった一頭。トモの筋力に優れ、気性の荒い馬だったという。奇しくもメイショウアヤメも現役時代、報知4歳牝馬特別(G2)に出走し、その時はマックスキャンドゥの2着に敗れた。今回、孫が見せたキレ味には、祖母の悔しさが宿っていたのかもしれない。
芝でのスピードを武器にメイショウアヤメは通算3勝をマーク。繁殖入りして初めて生んだ仔が本馬の母メイショウモモカだった。現役時代こそ未勝利に終わったが、母として好結果を出した。牧場時代の本馬については、「線のきれいな馬でしたね。肉づき、体のバランスも良かったです。祖母譲りで気性のキツさはありましたが、全体的に欠点が少なかった。1歳秋からグンと成長しました。」と、上山社長は振り返る。同牧場で生産、育成を施した後、祖母~母を知る飯田明弘厩舎へ入厩の運びとなった。
同牧場では本馬の半弟(牡2歳、父メイショウオウドウ)が育っている。こちらも本馬と同馬主・同厩舎でデビュー予定。メイショウバトラーのような、メイショウ血統での活躍を描きながら、順調に乗り込まれている。「姉が走ったからって、周りで急に騒いでもね。馬に合わせてデビューに備えます。」と、上山社長は冷静だが、注目度は高まっていくだろう。
桜花賞(G1)トライアルのチューリップ賞(G3)と同じくして、フィリーズレビュー(G2)の歴代勝ち馬もビッグネームが並ぶ。アストンマーチャン、ラインクラフトはその後G1を制し、サクセスビューティ、ローズバドはG1馬の母になった。本馬もここを通過点に、名牝への道を歩むのではないか。上山社長は、「G1では悔いのないレースをして欲しいですね。良い状態で出走して、全力を出し切ってくれることを願っています。」と、本番を見据える。3代にわたって紡いできたピンク色のたすきは、桜のたすきへ。アヤメ、モモカ、マンボ…長いストーリーが辿る名場面が、4月7日に迫っている。