重賞ウィナーレポート

2013年02月24日 阪急杯 G3

2013年02月24日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ロードカナロア

プロフィール

生年月日
2008年03月11日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:13戦8勝
総収得賞金
669,958,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
レディブラッサム  by  Storm Cat(USA)
馬主
(株) ロードホースクラブ
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
安田 隆行
騎手
岩田 康誠

 春の短距離王決定戦、高松宮記念(G1)への重要なステップレース、第57回阪急杯(G3)は世界のスプリント王ロードカナロアが圧倒的な1番人気に応えて優勝。昨年のJRA賞最優秀短距離馬の貫禄を示した。

 2013年のケイアイファームにとっては、ダノンバラード(アメリカジョッキークラブC(G2))に続く重賞2勝目。ロードカナロアにとっては5つ目(海外含む)の重賞勝利で通算成績を14戦9勝とした。

 競馬場でレースを見届けたケイアイファームの中村智幸さんは「香港のときは応援に行けませんでしたので、競馬場で見たのは昨年のスプリンターズS(G1)以来でした。今回は、海外遠征帰りに加えて初めて背負う58キロ、ほとんど経験のない1400mと厳しい条件下でしたが、勝ててうれしいです。ゴール前ではヒヤリとしましたが、改めてこの馬の強さを実感しました」と声を弾ませた。

 世界を制したスプリンターとしては負けられない1戦だった。そんなことはファンも承知しており、単勝支持率は圧倒的。しかし、本当の目標はまだ先。加えて、短距離レースはわずかなミスが命取りになりかねない。そんな状況での勝利だった。

 「香港から帰国後、順調に調整が進められていると報告を受けていました。でも、だからと言って勝てるほど、競馬は甘いものではありません。馬がゴールを過ぎるまでは勝利を確信することはできませんでした」。しかし、好スタートからハナに立つようなダッシュを決めると、そのまま好位で折り合い、最後まで力強い走りでゴールを駆け抜けた愛馬は、頼もしく映ったに違いない。

 そんなロードカナロアについて、中村さんは「こんな素晴らしい馬に巡り合えたことが嬉しい」と語ってくれた。「ロードカナロアを送り出したときは手さぐりというか、無我夢中でした。でも、今ふりかえると、ロードカナロアを生産、育成したという経験が、牧場にとって大きな財産になっています。勉強させてもらったこともたくさんありますし、こういう経験は名馬と巡り合わなければできないこと」と言い「この経験を次世代の馬たちに活かすこと。それがロードカナロアに対する恩返しになるし、そうしなければいけないと思っています」と口調を強めた。

 次は春の大目標、高松宮記念(G1)。秋春スプリントG1制覇の期待もかかるが「この馬は5連勝もしてくれましたし、海外のG1制覇も叶えてくれました。いろいろな思いが交差しますが、とにかく無事に走ってほしい。生産者としてはそれが1番の願いです」と生産地から応援メッセージが送られている。