重賞ウィナーレポート

2013年02月03日 きさらぎ賞 G3

2013年02月03日 京都競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タマモベストプレイ

プロフィール

生年月日
2010年02月28日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
276,727,000円
フジキセキ
母 (母父)
ホットプレイ  by  ノーザンテースト(CAN)
馬主
タマモ (株)
生産者
信成牧場 (浦河)
調教師
南井 克巳
騎手
和田 竜二
  • 全姉チャームポット
    全姉チャームポット
  • 母ホットプレイの後継として期待されている
    母ホットプレイの後継として期待されている
  • 玄関には生産馬の記念品が並ぶ
    玄関には生産馬の記念品が並ぶ
  • お祝いの看板
    お祝いの看板

 歴代の勝ち馬にスペシャルウィークやネオユニヴァースなどの名馬が名を連ねる出世レース、第53回きさらぎ賞(G3)は、6番人気タマモベストプレイが逃げ粘るマズルファイヤーをクビ差競り落とし優勝。重賞初制覇を飾り、クラシック候補へ躍り出た。

 本馬を生産したのは、浦河町・上杵臼にある信成牧場。社長の本巣信平さん夫妻とスタッフ1名で6頭の繁殖牝馬を繋養している。過去には97年の菊花賞馬マチカネフクキタル、99年関屋記念(G3)を制したリワードニンファを生産。重賞勝ちは本馬の全兄、タマモホットプレイ(06年シルクロードS(G3))以来となる。

 「タマモホットプレイが走っていた頃はよく競馬場へ応援に行っていたけど、最近は全然。今回も掲示板くらい載ってくれればいいな、という軽い感じでした」と本巣信平社長。テレビの前に座ってレースを見守っていたという本巣さんだったが、ゴール前ではさすがに力が入った。「やはり距離が心配で、いい位置取りで直線に入ったけどここまでか?と半信半疑でした。前を行く馬との距離を詰めはじめたときは、思わず立ち上がって叫びました。もう、ビックリやら嬉しいやらで…」と満面の笑みを浮かべた。

 タマモベストプレイの母ホットプレイは、サッカーボーイやステイゴールドがいる一族の血統。気性のキツさを闘争心に変えるファミリーの出身であり、ホットプレイ自身もかなり強い悍性の持ち主だった。「人間に攻撃してくることはなかったけど、馬には厳しくてね。他の馬と一緒に放牧できないくらいキツい馬でした。子供に対しては優しい、普通のお母さんでしたけど、子供たちもあの気性を受け継いでヤンチャなのばっかりでしたね」と苦笑い。後継繁殖牝馬となるベストプレイの全姉、チャームポットが戻って来たのを機に他の牧場へ譲渡され、現在牧場にはいないが、重賞2勝のタマモホットプレイを筆頭に短距離重賞で活躍しているオープン馬、タマモナイスプレイ、そしてタマモベストプレイと次々に活躍馬を送り出した優秀な繁殖牝馬だ。

 ベストプレイの幼少時の印象については全く記憶にないという本巣さん。「病気も怪我もなく、普通の馬だったと思います。ただ、兄たちもお世話になってる南井調教師から「兄弟の中で一番走りそうだ」と言われたことはありましたね」と振り返った。

 不安視されていた距離の壁を克服し、クラシックへの切符を手にしたタマモベストプレイ。「私たちは元気な子馬を送り出しただけ。その原石を磨いて、輝かせてくれたのは厩舎の皆さんの力ですから、感謝しています。春には競馬場へ足を運びたいですね」と、一足早く訪れた春の気配に声を弾ませていた。