2013年01月27日 シルクロードS G3
優勝馬:ドリームバレンチノ
プロフィール
- 生年月日
- 2007年02月22日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/青毛
- 戦績
- 国内:26戦9勝
- 総収得賞金
- 494,838,000円
- 母 (母父)
- コスモヴァレンチ by マイネルラヴ(USA)
- 馬主
- セゾンレースホース (株)
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 加用 正
- 騎手
- 松山 弘平
春のスプリント王を目指す重要なステップレース、シルクロードS(G3)。今年はスプリント重賞勝ち馬5頭が参戦、しかしそこはハンデキャップ競走。軽ハンデの4歳牝馬、アイラブリリが1番人気に推されるなど混戦の様相を見せていた。レースは外から抜け出したダッシャーゴーゴーに内で脚をためていたドリームバレンチノが襲いかかる。6歳馬同士の激しい攻防の末、ドリームバレンチノがゴール前の接戦をハナ差制し、重賞2勝目をマークした。
ドリームバレンチノは新冠町のビッグレッドファーム生産馬。母コスモヴァレンチもデビュー2戦目で小倉2歳S(G3)を制した快速馬で、同馬はその初仔になる。
繁殖を担当している菊池聡さんは、流れて来るラジオ実況に耳を傾けていた。「いつもだったら厩舎のテレビで中継を見るんですけど、あの時はたまたま作業をしていました。ラジオだからどっちが勝ったかさっぱりわからなくて、友人からのおめでとうメールを見てやっと勝ったことがわかりました。確か函館スプリントS(G3)を勝った時もラジオで聞いていたんですよ。テレビを見ない方が勝つのかも知れませんね」と苦笑いする菊池さんだが、今年初の重賞勝利であり、父ロージズインメイ、母の父マイネルラヴというビッグレッドファームスタリオンの血脈を継ぐ同馬への思い入れは強い。
ドリームバレンチノは母からスピードを、父からは丈夫さを受け継いだ。「母のコスモヴァレンチはマイネルラヴの初年度産駒で、ものすごいスピードを持った馬でした。デビュー前から期待され、その期待通り重賞を勝ちましたが、怪我のため僅か3戦で引退と競走生活もすごいスピードで駆け抜けてしまった。引退後、配合相手に選ばれたのが日本に来たばかりだったロージズインメイ。あの当時はお互いに初年度で産駒の傾向が読めませんでしたが、結果的にスピードと成長力を併せ持った相性の良い配合でしたね」と笑みを浮かべた。
そうして誕生したドリームバレンチノには当然大きな期待がかかっていた。しかし、菊池さんをはじめとする繁殖スタッフには別の意味で強烈な印象を残しているという。「癖なのか何なのか未だにわかりませんが、舌をね、ベローンとほぼ全部外に出しっ放しで戻さないんですよ。2月生まれでまだ外は寒かったし、凍傷にでもなったら大変と毎日舌に軟膏を塗っていたのを思い出します。しばらくしたら治りましたが、当時のスタッフの間では“あのベロの奴”で通じてましたよ」と振り返った。
ベロの後遺症もなく、順調に成長。育成段階に移行しても「動きが俊敏でとてもいい」という育成スタッフの声が聞こえて来た。4歳でオープン入り、5歳で重賞初制覇と時間はかかったが、携わった人間の期待に応える活躍をみせるドリームバレンチノ。「この血統ですから、できればG1を勝って、種牡馬として帰って来て欲しいというのが牧場全体の願いですね」と更なる飛躍を期待している。