重賞ウィナーレポート

2013年01月05日 中山金杯 G3

2013年01月05日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:タッチミーノット

プロフィール

生年月日
2006年04月20日 07歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:27戦9勝
総収得賞金
199,196,000円
ダンスインザダーク
母 (母父)
タッチフォーゴールド(USA)  by  Mr. Prospector(USA)
馬主
吉田 照哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
柴崎 勇
騎手
横山 典弘

 デビューから27戦目、ついにタッチミーノットは中央の重賞勝ち馬となった。生涯成績はこの中山金杯(G3)を入れて9勝となったが、その勝ち鞍の中には、園田競馬に移籍していた頃にあげた4勝も含まれている。

 「能力の高さは感じていましたが、心身ともに成長が遅く、中央競馬では3歳未勝利戦が終わるまでに勝つことができませんでした。移籍先となった園田時代には、管理をしていただいた田中道夫調教師、鞍上を務めてくださった田中学騎手のお力によるところも大きかったと思いますし、この重賞制覇という喜びに際して、改めてお礼を言わせてもらいたいです」と話すのは社台ファームの吉田哲哉氏。中央に再入厩してからは、柴崎厩舎の管理馬となるが、その際、更なる馬体の成長を見越して、山元トレーニングセンターを行き来しながら馬を作ってきたという。

 実は柴崎勇調教師と山元トレーニングセンターの袴田二三男マネージャーは、柴崎師が鞍上を務めていたギャロップダイナがフランスに遠征に出向いていた頃からの旧知の仲でもあり、その時から築きあげたコミュニケーションもまた、タッチミーノットの大成に繋がったと言える。

 「調教、レース選択と、柴崎先生の手腕もあって、着実に上のクラスまで辿り着き、そして重賞馬ともなることができました。これまで、重賞では惜しい着順が続きましたが、我々としてはここまでの道のりを考えると焦りもなく、『もっと強くなれる』という期待感を持ち続けていました」(吉田氏)

 中央競馬在籍時は勝ち鞍を残せなくとも、地方競馬で再入厩の資格を有し、そして重賞馬へと上り詰める。タッチミーノットの以前にもフェデラリスト、アーバニティと社台ファーム生産馬には同じ境遇からの重賞勝ち馬が見られる。これも馬の成長に合わせた調教、そしてその後のレース選択など、「馬本位」の馬作りだけでなく、時間をかけても能力を開花させたいという牧場スタッフや関係者の気持ちが、この結果に現れているのだろう。

 現在、タッチミーノットは山元トレーニングセンターで調整されている。次走は中山記念(G2)を予定。そこでは重賞を勝ってなお、更なる進化を遂げる走りを見せてくれるに違いない。