2012年12月01日 プリンセスC(中央認定)(GDJ)
優勝馬:ブリリアントロビン
プロフィール
- 生年月日
- 2010年05月01日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦4勝
- 総収得賞金
- 10,500,000円
- 母 (母父)
- コマドリ by コマンダーインチーフ(GB)
- 馬主
- 千葉 重雄
- 生産者
- 加野牧場 (三石)
- 調教師
- 佐藤 祐司
- 騎手
- 小林 俊彦
今年から地方交流重賞として格上げされ、『グランダム・ジャパン』2歳シーズンの第5戦として組み込まれた水沢競馬場の「プリンセスカップ」。北海道から4頭、笠松から2頭の遠征があり、それを地元・岩手の馬6頭が迎え撃つ形となったが、見事に栄冠を手にしたのは、北海道から岩手へ移籍して2戦目となるブリリアントロビン。逃げ粘るワタリルーブルをゴール前で交わし、嬉しい重賞初制覇を成し遂げた。
ブリリアントロビンの生産牧場は、新ひだか町三石の加野牧場。牧場名に聞き覚えのある方も多いと思うが、地方競馬が生んだ英雄・コスモバルクの生産牧場である。その他にも、JBCスプリント(G1)を筆頭とするダート重賞で5勝を挙げたマイネルセレクトなどの活躍馬が同牧場を巣立っており、現役世代には、昨季の『グランダム・ジャパン』2歳シーズン第2戦「エーデルワイス賞(Jpn3)(門別)」を制したシェアースマイル(美浦・栗田徹厩舎)らがいる。
2歳5月に門別競馬場で早々とデビューしたブリリアントロビンは、ホッカイドウ競馬で9戦2勝の成績を残し、岩手・佐藤祐司厩舎へと移籍。転厩初戦を4馬身差で楽勝し、今回の「プリンセスカップ」でも2番人気に支持されていた。
そして、ブリリアントロビンに最後は差されたものの、見せ場たっぷりの逃げを披露したワタリルーブルも加野牧場の生産馬。生産者である加野英樹さんにとっては、忘れられないレースとなった。「実は、生産馬3頭出しだったんです。結果はそのうちの2頭でワン・ツーを決めてくれて、本当に嬉しかったですね。こんなことは初めてです。思い出に残るレースになりました」と、加野さんは笑顔を見せる。
ブリリアントロビンが育った放牧地は、かつてコスモバルクが元気に走り回っていた場所。今回いっしょにレースを走ることになったワタリルーブル、ワタリラッシュらと群れになり、健やかに育っていったという。「素直で、牝馬らしい線のきれいな馬でした。生まれた時から良い体型をしていて、1歳になっても馬は良かったです。これは走りそうだなと感じていました」と当時を振り返る加野さん。
ブリリアントロビンもワタリルーブルも、そしてシェアースマイルも父は同じプリサイスエンド。加野さんは早くから種牡馬プリサイスエンドの高い能力に注目し、これまでに20頭以上の同種牡馬産駒を手がけてきた。「脚が長く、しっかりしたトモ。走るプリサイスエンド産駒に共通する部分が現れていました」と、幼少期のブリリアントロビンにも十分な手応えを感じていたようだ。
ブリリアントロビンの母コマドリは中央所属馬だったが、地方競馬場で行われる交流競走に何度も出走し、船橋競馬場、中津競馬場、高崎競馬場で各1勝ずつを挙げている。5歳まで元気に41戦を戦い、引退後に繁殖牝馬となって、これまでに8頭の仔を産んできた。「コマドリは仔出しの良い母馬ですね。昨年生まれた牝馬は、ブリリアントロビンと同じ父なのに性格は異なり、気が強いです。かなりのスピードを秘めていますよ」と、1歳になるブリリアントロビンの全妹を紹介。
「今年はサンデーサイレンス系を付けてみたかったのと、ホッカイドウ競馬で産駒が素晴らしい実績を残しているのを考慮して、ゴールドヘイローを交配しました」と、お腹の中にいる仔にも期待を膨らませる。祖母のマルゼンファイターはマルゼンスキーの産駒。サンデーサイレンス系との相性は抜群なだけに、次に生まれてくる産駒の成長からも目が離せない。
「ブリリアントロビンには、うまく冬を越して、長く活躍してほしいですね。一戦ごとにレース内容が良くなっているし、成長力にも期待しています」と愛馬へエールを送る加野さん。同じ牧場を巣立った先輩・コスモバルクのように、長く多くの人から愛される馬へと成長していってほしい。