2012年10月25日 エーデルワイス賞(中央交流) Jpn3
優勝馬:ハニーパイ
プロフィール
- 生年月日
- 2010年04月16日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦3勝
- 総収得賞金
- 27,140,000円
- 母 (母父)
- チャームカーニバル by アサティス(USA)
- 馬主
- (有) グランド牧場
- 生産者
- グランド牧場 (静内)
- 調教師
- 角川 秀樹
- 騎手
- 桑村 真明
中央競馬も含め、日本で唯一の2歳牝馬ダートグレード競走となる「エーデルワイス賞((Jpn3)、門別)」。『グランダム・ジャパン』2歳シーズンの第2戦にも組み込まれ、さまざまな角度から注目されるビッグレースである。今年はJRAから4頭、地元馬10頭が参戦し、精鋭14頭により2歳ダート女王の座を争うこととなったが、このレースを制したのはホッカイドウ競馬所属のハニーパイ(父サウスヴィグラス、母父アサティス、北海道・角川秀樹厩舎)。地元門別の牝馬重賞「リリーC」優勝、「フローラルC」2着という実績を持つ同馬だが、目移りするようなメンバーに囲まれ、戦前の評価は単勝10.7倍の5番人気。しかしレースでは、好位追走から直線で力強く抜け出す危なげない横綱相撲で、3年ぶりに2歳ダート女王の座を地元北海道へ手繰り寄せた。
ハニーパイの生まれ故郷は、新ひだか町のグランド牧場。今春に行われた『グランダム・ジャパン』3歳シーズンの「桜花賞(浦和)」を制したコテキタイ(父サウスヴィグラス、母父アサティス、川崎・内田勝義厩舎)も同牧場の生産馬で、父と母父が同じ配合から、同年の『グランダム・ジャパン』指定レース優勝馬を2頭誕生させたことになる。ちなみに、父サウスヴィグラス、母父アサティスの配合は、同牧場生産のラブミーチャンも同じ。こだわりの血統から、毎年のように優秀な牝馬を送り出し続けている。
エーデルワイス賞(Jpn3)当日、ハニーパイの生産者でもありオーナーでもあるグランド牧場の伊藤佳幸社長が門別競馬場で観戦されており、レース直後に喜びの声を聞くことができた。「素質馬が揃っていた中で、本当に強い内容でしたね。前走からプラス12kgと馬体重が増えていたように、一戦毎に馬が成長しています。1700mの前走(フローラルC)でも好走しましたし、もう少し距離が延びても大丈夫でしょう。これからが楽しみです」と、先々への期待を語ってくれた。実は、2着に入ったピッチシフターも同牧場の生産・所有馬で、大舞台でのワン・ツー・フィニッシュというこれ以上ない結果に、さぞかし愛馬たちを誇らしく感じていたことだろう。
ハニーパイの母チャームカーニバルもグランド牧場の生産馬。中央デビューで、2歳時に芝1600mのレースで勝利を挙げ、5歳まで生涯31戦を戦い抜いた。現役引退後、生まれ故郷に戻って繁殖牝馬となり、毎年サウスヴィグラスが配合され、ハニーパイの1歳下には全妹(現1歳)が、2歳下には全弟(現当歳)が無事に誕生している。「1歳は筋肉が発達してきて、身のこなしが柔らかいですね。当歳はバネがあり、ハニーパイに似ています。ともに順調に育っています」と、牧場スタッフが妹弟の近況について知らせてくれた。1歳の全妹は、今夏のHBAサマーセールに上場され、430万5千円(税込)で永井商事(株)によって落札されている。
ハニーパイは、11月29日に園田競馬場で行われたダートグレード競走「兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)」へ遠征し、牡馬に混じって地方馬最先着となる3着に大健闘。次の目標は、『グランダム・ジャパン』2歳シーズン最終戦「東京2歳優駿牝馬(大井)」になると思われるが、5年連続でホッカイドウ競馬デビュー馬が優勝しているゲンの良いレースだけに、期待は高まる一方だ。その先には、『グランダム・ジャパン』2歳シーズン総合優勝のタイトルも見えてくるはず。ぜひ、大晦日の大井競馬場に駆けつけたファンをハニーパイの甘い香りで包み込み、2012年を幸せな気持ちで締めくくってほしい。