重賞ウィナーレポート

2012年12月01日 ステイヤーズS G2

2012年12月01日 中山競馬場 晴 良 芝 3600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トウカイトリック

プロフィール

生年月日
2002年02月26日 10歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:55戦9勝
総収得賞金
550,388,000円
エルコンドルパサー(USA)
母 (母父)
ズーナクア(USA)  by  Silver Hawk(USA)
馬主
内村 正則
生産者
土田 扶美子 (三石)
調教師
野中 賢二
騎手
北村 宏司
  • 母ズーナクアは元気一杯
    母ズーナクアは元気一杯
  • 期待の後継繁殖クローズホールド(ハーツクライを受胎)
    期待の後継繁殖クローズホールド(ハーツクライを受胎)
  • 賞状を手にする陽司さん
    賞状を手にする陽司さん
  • 牧場看板
    牧場看板

 10歳にして重賞3勝目をあげたトウカイトリックの故郷は、新ひだか町三石にある土田扶美子さんの牧場。現在は息子の陽司さん、美香さん夫婦が中心となり牧場を切り盛りしている。

 厩舎作業の手を休め、自宅テレビで観戦した陽司さんは「パドックでは肉付きもよく、落ち着いた様子でとても良い状態に見えましたが、勝ち負けよりも無事に走って欲しいという思いでした。4コーナーでいい位置に付けていたところまでは確認したものの、直線入ってからは画面に映ってなくて…無我夢中で叫びましたよ。そして次に映った時にはもう勝っていた。検量室前で泣いている厩務員さんの姿を見て、思わずもらい泣きでした」と振り返った。

 トウカイトリックがダイヤモンドS(Jpn3)で重賞初勝利をあげた07年は祖父母昭司さんご夫妻と母扶美子さん、陽司さんの4人家族だった土田家。それから5年の間に美香さんを妻に迎え、長男凰司くんが誕生して6人家族になった。家族が増える度に大きなプレゼントをしてくれる愛馬に感慨ひとしお。

 しかし喜びに浸る間もなく、鳴り止まないお祝いの電話対応、祝勝会の準備。地域の人たちと共に祝杯をあげ、慌ただしくも充実の1日となったそうだ。

 本馬の母、ズーナクアは今年で22歳。2年間子宝に恵まれなかったが、今年はスペシャルウィークを受胎している現役の繁殖牝馬。牧場には3頭の後継繁殖も戻って来ており、繁栄を続けている。「ズーナクアの産駒は体型も毛色も種馬寄りでバラバラ。性格も微妙に違いますが、悍性の強さ、芯の部分は一緒ですね」と陽司さん。トウカイトリックもまた、母から受け継いだこの気性を持つからこそ、高いポテンシャルを保ち続けられているのかも知れない。

 同一重賞出走記録を更新中のトウカイトリック。次の目標は来春、8回目となる天皇賞(春)(G1)への挑戦だ。「過去にない最多出走記録を更新できたのも、デビュー時からずっと側でケアしてくれている厩務員さん、夏にはオーバーホール、毎年同じローテーションで大事に使ってくれる野中調教師の愛情の上で成り立っていること。みんなから受けた愛情に応えるべく、無事に走って欲しい」と陽司さんは思いを込めた。