重賞ウィナーレポート

2012年10月28日 天皇賞(秋) G1

2012年10月28日 東京競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイシンフラッシュ

プロフィール

生年月日
2007年03月27日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:19戦5勝
総収得賞金
756,072,000円
キングズベスト(USA)
母 (母父)
ムーンレディ(GER)  by  Platini(GER)
馬主
平井 豊光
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
藤原 英昭
騎手
M.デムーロ

 10年の日本ダービー(G1)以来、約2年5か月ぶりの勝利。レース後、鞍上を務めたミルコ・デムーロ騎手が馬上から降りて深々と頭を下げた時、エイシンフラッシュは勝者だけが表現できる嬉しさを垣間見せながらも、この場で求められる凛々しさも保ち続けた。

 「レース後のデムーロ騎手の立ち振る舞いも含めて、とにかくシビレましたし、感動しました」とは社台ファームの長濱卓也さん。エイシンフラッシュを受胎中の母ムーンレディが上場された、06年のタタソールズセールに長濱さんも同行しているが、この時、同じセールで購入されたのが、史上4頭目の三冠牝馬となったジェンティルドンナ(牝3・石坂)の母であるドナブリーニなんですよ、とも長濱さんは話してくれる。

 「エイシンフラッシュは日本ダービー(G1)の後、そして昨年と、夏はこちらで過ごしていました。どちらも良い休養期間となり、手応えを感じて送り出しましたが、期待したとおりの結果に繋がらないレースが続き、休み明け3走目となった有馬記念(G1)でようやく能力を発揮(2着)してくれました」(長濱さん)

 2年5か月あまりも勝ち鞍から見放されていたにも関わらず、今回の天皇賞(秋)(G1)でもエイシンフラッシュは5番人気の支持を集めた。これは日本ダービー(G1)で見せたあの豪脚を誰もが忘れられないだけでなく、管理の賜物もあって、調教時計やその走りなどが示すとおりに、常にいい状態でレースに臨めていたことも関係している。

 「調教でも素晴らしい動きを見せ、どのレースに向かう際にも、勝利への期待を持たせてくれるというのは、なかなか出来そうで出来ないことです。管理をする藤原英昭調教師はそういったことを踏まえて、身内で「アイアンホース」と称えていました」(長濱さん)

 今年の夏、エイシンフラッシュは社台ファームには戻らず、あえて山元トレーニングセンターでの調整を選んだ。まだ残暑の続く中を厩舎へと戻って管理を続けることで、体調の変動を少なくして秋競馬へと臨んでいったのである。

 「復帰緒戦の毎日王冠(G2)は残念な結果となりましたが、今回の天皇賞(秋)(G1)では、今までの悔しさを晴らすような最高の結果となり、牧場スタッフ一同で歓喜しております。改めて藤原先生、厩舎スタッフ、そして山元トレーニングセンターのスタッフに感謝するだけです」

 この後はジャパンカップ(G1)への出走を目指すこととなったエイシンフラッシュだが、東京競馬場芝2400mは日本ダービーを制した絶好の舞台。復活した「アイアンホース」は、そこでも強いレースを見せてくれることだろう。