2012年10月13日 府中牝馬S G2
優勝馬:マイネイサベル
プロフィール
- 生年月日
- 2008年04月11日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:17戦3勝
- 総収得賞金
- 258,450,000円
- 父
- テレグノシス
- 母 (母父)
- マイネレジーナ by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- (株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
- 生産者
- 高橋 修 (静内)
- 調教師
- 水野 貴広
- 騎手
- 松岡 正海
名牝の登竜門、3頭のG1牝馬の参戦で激しい戦いとなった第60回府中牝馬ステークス(G2)は、10番人気のマイネイサベルが最後の直線で力強く伸び、優勝。10年の新潟2歳S(G3)以来、2年ぶりとなる重賞2勝目を挙げた。
マイネイサベルを生産した高橋修さんの牧場は、修さんと奥様、そして息子である陵さんの3人で10頭の繁殖牝馬を繋養する家族経営の牧場。
マイネイサベルの母マイネレジーナは98年の函館3歳S(G3)、99年のクイーンS(G3)を2着と能力を持ちながらも出し切れぬままわずか6戦で引退。レジーナの半弟には01年のラジオたんぱ杯2歳S(G3)、05年の中京記念(G3)など重賞2勝をあげたメガスターダムがおり、活躍馬を輩出している牝系だ。
「マイネレジーナ、メガスターダム姉弟の母フミノスキーは父の代に生産した馬。こんな長きに渡り活躍馬を出してくれるとは…」と修さんは目を細める。
サンデーサイレンスを父に持つマイネレジーナは、とにかく気性のキツい馬だった。ビッグレッドファームで育成していた時から“この世代で一番うるさい馬”と評されてしまうほど。繁殖として牧場に帰って来てからも修さんの苦労は続いた。
「種付けのために馬運車に乗せるのも一苦労。遠くのスタリオンへは連れて行けなかったので配合相手も限られてしまいました。放牧地でのパートナーも選ばなければならなかったし、一度スイッチが入ってしまうと自分の子供すら攻撃対象になる。そのキツさが競走本能の高さなのですが、リスクと背中合わせの系統でもあるんです」と振り返った。当時はまだ息子の陵さんが大学在学中で実家におらず、夫婦2人では限界があり、イサベルの離乳を機にレジーナを他の牧場へ譲ることにした。
キツい母親の影に隠れて大人しくしていたイサベルも、離乳を経て本領発揮。「母と離れて解放されてしまったようで、母と同じような気性になってしまった。オータムセールの当歳市場でビッグレッドファームさんに買ってもらったときは、(この気性を)解ってる人に買ってもらって良かったとホッとしましたよ」と笑った。
「レジーナもそうでしたが、その産駒も弱いところがあって大成できなかった。イサベルは丈夫でコンスタントに走ることができてるし、早熟なだけじゃないことも今回の勝利で証明することができた。デビューしてからずっと楽しませてもらっています。これからも怪我なく頑張って欲しい」と故郷からエールを送った。