2012年10月08日 京都大賞典 G2
優勝馬:メイショウカンパク
プロフィール
- 生年月日
- 2007年05月15日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:33戦6勝
- 総収得賞金
- 182,634,000円
- 母 (母父)
- ダンシングハピネス by ダンスインザダーク
- 馬主
- 松本 好雄
- 生産者
- 三嶋牧場 (浦河)
- 調教師
- 荒川 義之
- 騎手
- 池添 謙一
秋のG1シリーズを占うステップレース、京都大賞典(G2)は5番人気のメイショウカンパクが、直線大外一気に追い込み、追いすがるオウケンブルースリを首差凌ぎきってゴール。10回目の重賞挑戦で悲願の初制覇を飾った。
同馬を生産したのは、浦河町の三嶋牧場。2010年の京都大賞典(G2)を制したメイショウベルーガ、2009年の京都牝馬S(G3)勝ち馬チェレブリタなど強い牝馬を送り出している牧場に、牡馬のニューヒーローが誕生した。
レース当日、繁殖スタッフの玉置善隆さんは他のスタッフたちと一緒に作業の手を休めテレビ観戦していた。
「前走(オールカマー(G2))では脚を余して負けていましたし、使い込んで良くなっていく馬だと言う事もわかっていましたから期待はしていました。直線に入っても画面に映らないのでちょっと焦りましたが、残り100メートルで外から飛んで来る姿が2年前のベルーガと重なり、勝利を確信しました。2着の馬も一緒でしたしね」と笑った。
メイショウカンパクから数えて3代母になるシアトルダンサーから三嶋牧場の生産馬。まさに牧場の屋台骨を支え、大事に守って来た「かまど馬」の血脈だけにスタッフの思い入れも強い。
「母のダンシングハピネスは悍性がキツく、見映えのするタイプではありませんでしたが、その産駒は種馬似に出る傾向でかたちが良く、成長力を持った子が多いです。ただ、気性だけは母の遺伝が前面に出て手がかかってしまうんです」と玉置さん。そんな中、メイショウカンパクだけは穏やかな性格で全く手がかからなかったそう。
「両親のいいとこ取りで、見る人が皆いい馬と褒めるくらい馬格があって見映えのする馬でした。離乳してからもグングン成長して、5月の遅生まれなのに2月生まれの馬たちをやっつけてたくらい。今思えば、人間には従順だったけど馬に対しては闘争心を剥き出しにしていましたね。育成に移っても評判は変わらず、この年30頭生まれた1歳馬の中で断トツに良い動きをしていた。これは走るとみんなが期待していたんです」と、この牝系を良く知るスタッフそれぞれが役割の中でこの馬はちょっと違うと感じていたようだ。
牧場の期待を背負い、着実にステップアップを重ねて持ち前の成長力を爆発させたメイショウカンパク。「ベルーガも5歳秋で京都大賞典(G2)を勝って、あと少しのところでG1制覇を逃してしまった。カンパクならきっとやってのけてくれると思います」と話す玉置さんの傍らで大きくなってきたお腹を揺らし歩くメイショウベルーガ。牧場代表産駒の座をバトンタッチされたメイショウカンパクの次走に期待したい。