2012年09月30日 スプリンターズS G1
優勝馬:ロードカナロア
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月11日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦7勝
- 総収得賞金
- 669,958,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- レディブラッサム by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) ロードホースクラブ
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 岩田 康誠
ロードカナロアにとっての初めてのG1制覇は、生産馬初のG1制覇となったケイアイファームの「熱意」がもたらしたものとも言えるのだろう。
「相手はカレンチャンだと思っていました。パドックで岩田騎手と話した時にも、カレンチャンを目標にすると聞いていましたし、レースもロードカナロアとカレンチャンの位置取りだけを見ていました」とはレースを中山競馬場まで応援に行っていた、ケイアイファームの中村智幸取締役。ゴールの瞬間は一緒に声援を送った牧場のディレクターと、何を話したのか思い出せないほど盛り上がったとも振り返る。
昭和62年に創業したケイアイファームは、80ヘクタールの敷地で30頭の繁殖牝馬、そして生産馬やせりで購入してきた馬を育てる育成施設を備えた総合牧場。これまでにロードプラチナム(函館記念(G3))、レディアルバローザ(中山牝馬S(G3))、シンメイフジ(関東オークス(Jpn2))など、コンスタントに重賞馬を送りだしてきた。
牧場に変革が訪れたのは今から10年ほど前。それまで生産馬のほとんどは外部の育成牧場に送り出していたが、坂路の拡幅などを行うことで育成にも本腰を入れ始め、また獣医を雇うなど、総合牧場の中で、生産、中期育成、後期育成とそれぞれがプロフェッショナルとしての仕事を行うように変わっていった。
そして生産の柱でもある繁殖牝馬に関しても、中村取締役などが海外に出向き、毎年のように新しい繁殖牝馬を導入。その一方で、牧場の生産馬の大多数が所属するロードホースクラブからは、優秀な成績を残した牝馬が、繁殖牝馬として戻り、その優れた血筋を伸ばしていく。
配合に関しても熱意は変わらなかった。産駒実績だけを見るなら、ロードカナロア、オープン入りを果たしたロードバリオスと、名牝と呼ぶに相応しい母レディブラッサムであるが、実は1番仔、2番仔と競走馬になれてはいない。それにも関わらず、率先してリーディングサイアーの上位にいるような優れた種牡馬を配合していったことが、後のロードバリオス、そしてロードカナロアの活躍へと繋がっていった。
「牧場が目標としていたG1タイトルを取れたことで、更なる自信が生まれました。この2歳世代、そして1歳世代にも楽しみな馬が多くいますし、ロードカナロアから得た経験を、この馬たちにも伝えていきたいです」(中村取締役)
また、ロードカナロアに対しては、「まだ、競走馬としての上積みが感じられますし、更に強いレースをみせてもらいたいです」と中村取締役はエールを送る。ケイアイファーム、そしてロードカナロアともに、その熱意が切り開いた未来は、果てしなく広がっている。