2012年09月09日 京成杯オータムH G3
優勝馬:レオアクティブ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月22日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:12戦4勝
- 総収得賞金
- 175,883,000円
- 父
- アドマイヤムーン
- 母 (母父)
- レオソレイユ by オペラハウス(GB)
- 馬主
- 田中 博之
- 生産者
- 谷口牧場 (浦河)
- 調教師
- 杉浦 宏昭
- 騎手
- 横山 典弘
秋競馬開幕を告げる第57回京成杯オータムH(G3)は、浦河町の谷口牧場が生産したレオアクティブ(牡3歳)が1分30秒7のレコードタイムで優勝した。これは、従来のレコードをコンマ6秒更新する芝1600mの日本レコードだった。
「このレースは(生産馬で、母の兄となる)ブレイクタイムが2度も勝ってくれたレースです。なんだか縁のようなものを感じますね」と生産牧場の谷口幸樹さんは嬉しそうだった。レオアクティブにとっては、昨年の京王杯2歳S(G2)以来の重賞制覇。谷口牧場にとっても、そのとき以来のビッグタイトルだ。
レオアクティブは父アドマイヤムーン、母レオソレイユ(母の父オペラハウス)という血統の栗毛馬。母レオソレイユの初仔となる。「レオソレイユっていう馬は、オペラハウスの仔を生産してみたくて、胆振まで種付けにいった馬です。夜遅い種付けだったのを覚えています。新馬戦を勝ってくれて期待したのですが、大きな怪我などもあって競走馬としては不完全燃焼でした。だからというわけではないですが、牧場としても大きな期待をしています」と期待する馬だ。
その期待通りにレオソレイユは初仔のレオアクティブを産んだあとも2歳にはタニノギムレットの牡馬(レオハイタッチ)。1歳馬タイキシャトルの牡馬は今春のセレクションセールで売却し、当歳にはステイゴールドの牝馬がいて、現在は再びアドマイヤムーンの仔を受胎している。
「レース当日は、ちょうど月はじめの大安でしたので、馬の移動日だったんです。中期育成で預かっていた馬を後期育成牧場に移動させるなど、7頭をほかの牧場へ移動させましたので、朝から大忙しでした」と谷口さん。だから、レースは移動を手伝ったスタッフみんなでテレビの前での観戦となった
「レースの1週間ほど前に杉浦先生が牧場に来てくださったのですが、そのときに馬が精神的に成長している、そして調子も良さそうだと聞いていましたし、朱鷺ステークスの勝ち方があまりに鮮やかだったので、期待して見ていました。開幕週で先行馬有利の馬場状態であるとか、直線が短くなるとか、距離が長いのではないだろうかとか、多頭数の内枠だとかというファクターは気にせず、この馬を本命にしてくれた記者さんの予想どおりに馬券も買いましたよ」。いつ、どんな場合でも生産者は自分の馬に期待する。期待というよりも応援という意味合いの方が強いのかもしれないが、人気になっている場合はなおさらだ。そんな生産者ですら「凄いと思いました」というくらいにレオアクティブの末脚は切れた。
「インコースから伸びてきたときに、ゾクっとしました。期待した春シーズンの成績が今ひとつでしたので、勝った嬉しさというよりも改めてすごい馬だなぁって。そう思いましたね」と当日の感動を蘇らせてくれた。「調教師の先生はじめ、この馬にたずさわってくれたすべての人のおかげだと思っています。生産牧場としてはブレイクタイムが少しだけ届かなかったG1タイトルに対する思いもありますが、そんなに簡単なものではないと思っています。それでも、できることなら馬主さんや調教師の先生たちに喜んでもらいたいと思います」と馬に願いを託している。