2012年08月19日 北九州記念 G3
優勝馬:スギノエンデバー
プロフィール
- 生年月日
- 2008年04月02日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:24戦4勝
- 総収得賞金
- 229,439,000円
- 母 (母父)
- シャイニングピアス by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 杉山 美惠
- 生産者
- 明治牧場 (三石)
- 調教師
- 浅見 秀一
- 騎手
- 北村 友一
サマースプリントシリーズの第4戦「テレビ西日本賞北九州記念(G3)」は大外から追い込んだ8番人気のスギノエンデバー(牡4歳、父サクラバクシンオー、母シャイニングピアス、栗東・浅見秀一氏、馬主・杉山美惠氏)が1分6秒9のレースレコードで優勝。父サクラバクシンオーのJRA通算1200勝、11年連続JRA重賞勝利に花を添えた。
スギノエンデバーを生産したのは、新ひだか町三石にある明治牧場だ。35ヘクタールの土地に繁殖牝馬が17頭。現在は8人のスタッフが生産から後期育成牧場に移動するまでの世話をしている。
生産馬としては96年のシーズプリンセス(ファンタジーS(G3))以来、16年ぶりというJRA重賞制覇の瞬間を、柳沢末治場長は牧場厩舎内にある休憩室のテレビで、スタッフとともに観戦していた。「人気はあまりありませんでしたが、相性の良い小倉競馬場でもありましたし、少しでも頑張って欲しいという気持ちで見ていました。パドックではずいぶんと落ち着いていましたし、調子はよく見えました」と期待を込めてファンファーレを待っていたという。ゲートが開いて、レースはいつものように後方待機。「それでも、いつもよりは少し前に位置していましたから、いつものような末脚が使えたら掲示板くらいはあるかな」という生産者の思いを、良い意味で打ち砕くように進出したスギノエンデバーは直線で末脚を炸裂。「残り100mくらいではほかの馬と脚色が違ったので勝利を確信しました」という柳沢場長らが喜びを分かち合う中、歓喜の先頭ゴールを果たした。
その瞬間、頭には「ここまで、ずいぶんと時間がかかってしまったが、やってきたことは間違いではなかった」ということが思い浮かんだという。
「よい繁殖牝馬を揃え、よい種牡馬を配合してくれるオーナーのためにも結果を出したかったんです。生産牧場としてできることは、繁殖牝馬を心身ともによい状態にして、そして生まれた子が丈夫になるように鍛え上げること。以前からも行っていたのですが、それを徹底させたのが、この世代くらいからでした」と、どこかホッとしたような表情になった。
「サクラバクシンオーとの配合はオーナーが決めました。仔出しの大きな種牡馬ですが、母のシャイニングピアスは現役時代400キロそこそこの小さな馬でした。その初仔ですから、生まれたときのスギノエンデバーも小さかったです。でも、筋肉の良い馬でバランスもよかった記憶があります。そこそこには動いてくれるだろうなとは思いましたが、まさか重賞を勝つとは思っていませんでした」。期待を込めて送り出した馬が、嬉しい誤算で大きな仕事をしてくれた。
「今回、G3を勝たせてもらったので、もうひとつ上の競走も勝って欲しいし、スギノエンデバーには無事に、競走馬としての一生を全うして欲しい。生産牧場としては、それを願うだけです」と、今後の健康と活躍を祈っている。