重賞ウィナーレポート

2012年06月17日 函館スプリントS G3

2012年06月17日 函館競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ドリームバレンチノ

プロフィール

生年月日
2007年02月22日 05歳
性別/毛色
牡/青毛
戦績
国内:23戦8勝
総収得賞金
494,838,000円
ロージズインメイ(USA)
母 (母父)
コスモヴァレンチ  by  マイネルラヴ(USA)
馬主
セゾンレースホース (株)
生産者
ビッグレッドファーム (新冠)
調教師
加用 正
騎手
松山 弘平
  • ドリームバレンチノの母コスモヴァレンチ
    ドリームバレンチノの母コスモヴァレンチ
  • ドリームバレンチノの半妹(当歳・父コンデュイット)
    ドリームバレンチノの半妹(当歳・父コンデュイット)
  • 母はマイネルラヴ譲りの青鹿毛
    母はマイネルラヴ譲りの青鹿毛
  • 当歳も順調に育っている
    当歳も順調に育っている

 サマースプリントシリーズ2012の第一戦、函館スプリントS (G3)はドリームバレンチノが快勝。2度目の重賞挑戦にして、鮮やかに壁を突破した。

 本馬の生産は新冠町のビッグレッドファーム。過去にはG1馬マイネルキッツをはじめ、マイネルチャールズ、イクスキューズ、マイネルアワグラスといった重賞馬を生産している。今年はコスモオオゾラで制した弥生賞(G2)に続く、JRA重賞Vとなった。喜びに沸く同牧場の取材に応じてくれたのは、蛯名聡マネージャー。「手強いメンバーが揃っていましたが、勝つことができて本当に嬉しいです。状態も良いようでしたし、道中も詰まることなく立ち回って、実力をフルに発揮できましたね。この馬は父も母の父もビッグレッドファームの種牡馬で、この血統で勝てたということも感慨深いです。マイネルラヴが亡くなった矢先でしたし…ラヴの血のパワーを改めて感じました。」と、喜びを伝えてくれた。朗報を運んできた青毛馬は父ロージズインメイ、母の父マイネルラヴという“ビッグレッド血統”。長らく情熱を込めてつないできた糸に格別な思いがこみ上げてくる。

 生産・育成に加えて種牡馬事業を展開する同牧場で、本馬の母の父マイネルラヴが12年間の種牡馬生活を送っていた。“ラヴ”の愛称で親しまれ、緑のじゅうたんに自慢の青い毛をなびかせていた。残念なことに今年6月、天国に旅立ったが、これまでJRA・地方で多数の重賞馬を送り出し、JRA重賞馬5頭のうちの1頭が本馬の母コスモヴァレンチだった。

 現役時代は才能豊かなスピードを武器とし、2歳夏に小倉2歳S(G3)を制した。故障のため僅か3戦で引退を余儀なくされたが、マイネルラヴと同じ青鹿毛の快速馬だった。「良い筋肉をしていて、牧場の坂路でよく動いていました。重賞勝ちは1つに終わりましたが、母としても好結果を出してくれました。」と、蛯名マネージャー。

 繁殖初年度の交配相手として選ばれたのが、同牧場が導入したロージズインメイで、生まれたのが本馬。蛯名マネージャーによれば、「目立つタイプではありませんでしたが、丈夫に育ちましたね。スピードはかなりのものを感じさせていました。」活躍した母の名をとって「ドリームバレンチノ」と命名され、2歳10月のデビューに至った。

 母コスモヴァレンチは現在も元気に繁殖生活を送っており、1歳、当歳ともに父コンデュイットの牝馬が生まれている。1歳馬はラフィアンターフマンクラブの募集馬として、目下売り出し中だ。蛯名マネージャーは、「ともに順調に育っています。1歳牝馬は筋骨隆々とした体に成長しておりまして、兄に続く活躍を期待しています。」と、2頭目、3頭目となる母仔重賞制覇を目指している。

 G1好走馬を破っての重賞勝ちで、最も勢いのある短距離馬として名を広めているドリームバレンチノ。2歳時1勝、3歳時2勝、4歳時2勝、そして、5歳の今年は3勝中と、競走馬として実に真面目な戦歴をたどっている。重賞での露出はまだ少ないが、下積み期間に高めた能力が、いよいよこの夏、花開く予感がする。蛯名マネージャーは、「これからも息長く走って欲しいですね。サマースプリントシリーズ王者のチャンスもありますし、次走も楽しみです。母の父マイネルラヴと並んで、スプリンターズS(G1)制覇を果たしてくれたら最高ですね。」と、希望を膨らませている。