2012年05月01日 東海クイーンC(GDJ)
優勝馬:マーメイドジャンプ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月17日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦3勝
- 総収得賞金
- 10,619,000円
- 母 (母父)
- マーメイドウインク by エルコンドルパサー(USA)
- 馬主
- 山科 統
- 生産者
- バンダム牧場 (荻伏)
- 調教師
- 後藤 保
- 騎手
- 東川 公則
グランダム・ジャパン3歳シーズンの第5戦は、名古屋競馬場で行われた「東海クイーンカップ(1600m)」。今年からグランダム・ジャパンシリーズへ組み込まれて春先の実施となり、全国交流競走へとリニューアルされた。3歳シーズンも折り返し地点を過ぎて、そろそろポイント争いが気になる頃。チャンピオンを占う意味でも注目の1戦となった。
エントリーされたのは、若草賞3着のマーメイドジャンプ(笠松・後藤保厩舎)、ル・プランタン賞3着のレコパン(佐賀・矢野久美厩舎)、シリーズ初参戦ながら1月に園田競馬場で行われたクイーンセレクションでメイレディを破っているスズカウインダー(名古屋・川西毅厩舎)など11頭。
レースは、ハナを主張した3番人気のマーメイドジャンプが先頭で1周目のゴール板前を通過。圧倒的な1番人気のスズカウインダーがこれをマークし、2番人気のレコパンは好位から前をうかがうような展開。途中、スズカウインダーが前との差を詰めようとしたが、マーメイドジャンプの東川騎手は終始楽な手応えでセーフティリードを保ち、スズカウインダーに2馬身の差をつけてそのままゴール板を駆け抜けて優勝。デビュー9戦目にして重賞初制覇を成し遂げた。
マーメイドジャンプは父プリサイスエンド、母マーメイドウインク(母の父エルコンドルパサー)という血統。浦河町のバンダム牧場で2009年に産声をあげている。
バンダム牧場は1989年創業。過去にはジャングルポケットが勝った日本ダービー(G1)で3着したのち種牡馬となったダンシングカラー、セントウルステークス(G3)を連覇し長く短距離路線で活躍したゴールデンキャストなどの活躍馬を送り出してきた。現在は10ヘクタールの牧場に繁殖牝馬7頭を抱え、4人のスタッフで生産と1歳秋までの中期育成を行っている。
同牧場の寺屋マネージャーは、「重賞で2着、3着と惜しい競馬が続いていましたので、勝てて本当に嬉しいです。牧場時代から難しいところのあった馬なんですが、うまく育ててくれた厩舎スタッフやジョッキーに感謝したいですね。気持ちの良い逃げ切り勝ちでした」とマーメイドジャンプの東海クイーンカップ優勝を振り返る。
「山科オーナーもとても喜んでいます。ポイント制シリーズはおもしろいですね。次のレースでも頑張って、シリーズの上位争いをして欲しいです」と愛馬にエールを送った。
牧場時代のマーメイドジャンプについては、「母のマーメイドウインクが大きな馬ではないので、マーメイドジャンプ自身も大きくはありませんでしたが、とにかく元気のよい馬でした。キビキビした動きで、瞬発力を感じさせるような馬でしたね」と当時の印象を語る。
「動きそのものは牧場時代から評価の高い馬でしたが、馬格に恵まれなかったこととダートをこなしそうだったこと、そして早い時期から使い出せそうだという理由で、地方競馬からのデビューとなりました」とデビューに至るまでの経緯を話してくれた。
「祖母のトコピジャがアルゼンチンの古牝馬チャンピオンというファミリーで、もともと期待が大きかった血統なんです。牧場には限られた数しか繁殖牝馬を置けませんので、2頭の牝馬を生んだあとに母のマーメイドウインクは手離してしまいましたが、マーメイドジャンプが繁殖牝馬として戻ってくる日が楽しみになりました」と寺屋マネージャー。いつの日か生まれ故郷のバンダム牧場で母親になることを夢見て、グランダム・ジャパン3歳チャンピオンの勲章を掴み取ってほしい。