重賞ウィナーレポート

2012年05月06日 NHKマイルC G1

2012年05月06日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カレンブラックヒル

プロフィール

生年月日
2009年02月19日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:4戦4勝
総収得賞金
332,847,000円
ダイワメジャー
母 (母父)
チャールストンハーバー(USA)  by  Grindstone(USA)
馬主
鈴木 隆司
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
平田 修
騎手
秋山 真一郎

 カレンブラックヒルが勝利した、今年のNHKマイルC(G1)。その口取り式に、ノーザンファーム空港牧場で育成に携わった高見優也厩舎長の姿はなかった。

 「1番人気で臨めるレースですし、いい経験をさせてやればと思い、厩舎の若いスタッフに応援に行ってもらうことにしました。口取り式ではオーナーの計らいで、馬の近くに立たせてもらいましたし、本当にいい経験になりました」(高見厩舎長)

 そのNHKマイルC(G1)を高見厩舎長は止めた車の中の、カーオーディオで見ていた。これは高見厩舎長ならではの験担ぎでもあり、不思議と車の中でレースを見ていると、厩舎育成馬の勝率は良かった。

 「3連勝の内容も良かったですし、今回も人気に応えられるだけのレースを見せて欲しいと思いながらも、G1ということでメンバーが強くなる中で、どういった結果となるのだろうという気持ちはありました。でも、改めてレースを振り返ると、本当に強い内容でした」(高見厩舎長)

 国内の競馬場では最も長い、525.9mの直線コースを誇る東京競馬場。早めに先頭に立った馬は、後続から迫る馬にとって格好の標的となってしまうのだが、スタートから果敢に先手を取ったカレンブラックヒルは、直線に入ると更に後続との差を開いていく。

 「最後の直線で後続との差を開き始めた時には、勝てるのではないかとの思いがだんだんと沸いてきました。それでもあれだけの差を付けるとは思っても見なかったですね」(高見厩舎長)

 昨年の今頃、高見厩舎長の管理するノーザンファーム空港牧場のC-1厩舎は、皐月賞(G1)を制し、そして日本ダービー(G1)でも人気に応えたオルフェーヴルの活躍に沸き返ってきた。それからわずか一年。クラシックではないものの、無傷の4連勝でG1を制したカレンブラックヒルを送り出したことは快挙とも言える。

 「馬の能力があってのことですし、そこまで導いてくれた生産、イヤリングのスタッフ、そして平田先生や厩舎の皆さんの力があってこその結果だと思います。それでも厩舎のスタッフとは毎年、『クラシックに出せるような馬を育てていこう』と話していますし、今年もカレンブラックヒルが仕事の活力となるような成績を残してくれたことを嬉しく思います」(高見厩舎長)

 カレンブラックヒルの勝利は、様々な波及効果ももたらしている。まずはダイワメジャー産駒にとって初めてのG1馬となったこと。そしてセレクトセール出身馬のG1勝利でもあり、今年の「セレクトセール2012」に勢いをつけることともなった。

 一時は日本ダービー(G1)に出走のプランもあったカレンブラックヒルだが、先日、平田調教師からノーザンファームしがらきへの放牧が発表された。高見厩舎長は、「年明けのデビューからここまで4戦を戦ってきた中で、馬体重も減ってきましたし、ちょうどいい休養になるのではないのでしょうか」と秋競馬で再び強いレースを見せてくれることを期待している。