2012年04月29日 天皇賞(春) G1
優勝馬:ビートブラック
プロフィール
- 生年月日
- 2007年05月23日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/青毛
- 戦績
- 国内:28戦6勝
- 総収得賞金
- 320,217,000円
- 父
- ミスキャスト
- 母 (母父)
- アラームコール by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- ノースヒルズマネジメント (新冠)
- 調教師
- 中村 均
- 騎手
- 石橋 脩
145回を数える伝統の一戦、天皇賞(春)(G1)は、人気馬たちが後方で牽制し合うなか、好スタートから自分のペースを貫いたビートブラックが後続に4馬身差をつけ快勝。重賞初勝利がG1制覇となり、大きな勲章を手に入れた。
本馬を生産したのは新冠町の(株)ノースヒルズ。アーネストリーやトランセンドといったG1馬を送り出している同牧場に新しいヒーローが誕生した。
レース当日、牧場スタッフ、育成部門を担当する大山ヒルズのスタッフと10人ほどの応援団で現地へ駆けつけたという福田洋志マネージャーは「馬はよい状態だと聞いていましたし、重馬場が苦手なので晴れてくれて良かったな、とは思っていましたが、人気が人気(14番人気)だったので良いレースを見せてくれればいいな、くらいの気持ちでした」
しかし、蓋を開けてみれば4馬身差の圧勝。「05年に天皇賞(秋)(G1)を制したヘヴンリーロマンスに続く2度目の盾。本当に光栄です」と満面の笑みを浮かべた。
ビートブラックの父、ミスキャストも同じ勝負服で走ったノースヒルズマネジメント所有馬であり、母アラームコールも同様。そんな両親の結晶である本馬の活躍に喜びもひとしおだ。
「ミスキャストはG1馬ノースフライトの産駒ということで期待は大きかったです。重賞は2着が最高でしたが、クラシックレースに出走するなど活躍してくれました。種牡馬になるにあたって牧場からもバックアップしようとJRAで5勝を挙げたアラームコールを配合しました」。初年度は21頭に種付けをおこなったミスキャスト。12頭が競走馬として登録され、その中の1頭がビートブラックだった。
牧場時代の本馬については「5月の遅生まれですが他の馬より遅れていたわけでもなく、1歳秋、初期調教を終え大山ヒルズに移動するときにはすでに470~80キロくらいありました。アクシデントもなく、順調に送り出したことを覚えています」と振り返った。
決して目立つタイプではなかったビートブラックが、使われながら力を付け、堅実に勝ち星を積み重ねた結果が今回の大金星に結びついた。
牧場事務所に掲げられた「チャレンジングスピリット」という前田幸治オーナーの言葉。チャレンジしなければチャンスはない。常に挑戦し続けること、少しでも上の舞台に立つことの大切さは牧場スタッフ全員の胸に刻み込まれている。当然、この精神の元で生まれ育ったビートブラックの挑戦はこれで終わりではない。G1を勝ったことで選択肢は広がり、更なる高みを目指している。