2012年03月21日 桜花賞(GDJ)
優勝馬:コテキタイ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年03月27日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦5勝
- 総収得賞金
- 37,675,000円
- 母 (母父)
- チアリーダー by アサティス(USA)
- 馬主
- (有) グランド牧場
- 生産者
- グランド牧場 (静内)
- 調教師
- 内田 勝義
- 騎手
- 張田 京
「グランダム・ジャパン」3歳シーズンの第2戦は、南関東牝馬クラシック第1弾でもある「桜花賞」。3月21日に浦和競馬場ダート1600mで行われ、3番人気のコテキタイが4馬身差の逃げ切り勝ち。同じホッカイドウ競馬出身の人気馬エンジェルツイート、ゴールドキャヴィアらに影も踏ませない圧勝劇で、この勝利が嬉しい重賞初制覇となった。
コテキタイの生産は新ひだか町静内のグランド牧場。2005年の天皇賞(春)(G1)優勝馬スズカマンボや、2009年の全日本2歳優駿(Jpn1)を制したラブミーチャン、ダート重賞で5勝を挙げたスマートボーイなど、数々の重賞馬を送り出してきた名門牧場だ。
桜花賞当日、浦和競馬場まで応援に駆けつけていた同牧場の伊藤佳幸社長は、「厳しい流れだった前走のトライアル(ユングフラウ賞)でも4着に健闘していましたし、今回は1番枠を引いたので、浦和競馬場のコース形態を考えると、逃げるコテキタイにはチャンスありと感じていました。現地で勝ったのを見届けた瞬間は、涙が出るほど嬉しかったです」と愛馬のクラシック制覇を手放しで喜んだ。
コテキタイは、2歳5月に北海道の角川秀樹厩舎からデビュー。初戦の門別フレッシュチャレンジ競走をきっちり勝ち上がって素質を示したものの、その後は幾度となく重賞の壁に跳ね返され、ここまでは12戦して4勝。この桜花賞では3番人気に支持されていたとはいえ、上位人気馬2頭からは大きく離された伏兵的存在だった。その評価をあざ笑うかのように、鮮やかな逃げ切り勝ちを見せたコテキタイ。
「父サウスヴィグラスに似た筋肉質の馬でしたね。牧場ではすこぶる順調に育ちました」と伊藤社長はコテキタイの牧場時代を振り返る。
コテキタイの母チアリーダーもグランド牧場の生産馬で、現役時代は中央ダートで4勝を挙げた活躍馬。同牧場生産で種牡馬となったスマートボーイとは同級生で、同じレースに走り1着・3着した経験もある。
チアリーダーは繁殖牝馬としても優秀で、コテキタイの全兄に当たるスマートジョーカー(牡5歳、船橋・川島正一厩舎)は、南関東競馬で9勝を挙げる活躍を見せており、今後は重賞へも挑戦してきそうな勢いだ。
「チアリーダーは歳を重ねてどんどん仔出しが良くなってきました。丈夫で真面目な性格の馬です。チアリーダー自身がそうだったように、ダートを得意とする産駒を出していますね。4代母のアマリテュードの血統からはスマートボーイが出ていますし、父サウスヴィグラス、母の父アサティスというコテキタイの血統構成は、ラブミーチャンと同じです」と長い時間をかけて牧場が育んできた血統背景について説明してくれた。チアリーダーには、コテキタイを産んだ後も相性の良いサウスヴィグラスが配合され、コテキタイの全妹、全弟が誕生している。
「2歳の牝馬はお尻の大きな馬で、かなりパワーを感じさせます。当歳の牡馬も出来が良く、クラシックを意識させる器ですよ」と妹弟にも大きな期待を寄せる。
「コテキタイは距離が延びても我慢できる馬だと思いますし、勝負根性もあるので、今後のクラシック戦線も楽しみにしています。ひとまず桜花賞の勝利でグランダム・ジャパンのポイントも獲得できましたので、この後のレースでもポイントを重ねて、最終的に3歳シーズンの総合優勝ができたら最高ですね」と伊藤社長。昨年のグランダム・ジャパン3歳シーズンのチャンピオンはマンボビーン(岡田牧場生産)だったが、その父はグランド牧場生産のG1馬スズカマンボ。「グランダム・ジャパン」シリーズとは何かと縁のあるグランド牧場生産のコテキタイが、どのような行進を見せてくれるかに注目だ。