重賞ウィナーレポート

2012年04月07日 NZトロフィー G2

2012年04月07日 中山競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カレンブラックヒル

プロフィール

生年月日
2009年02月19日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
332,847,000円
ダイワメジャー
母 (母父)
チャールストンハーバー(USA)  by  Grindstone(USA)
馬主
鈴木 隆司
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
平田 修
騎手
秋山 真一郎

 デビューからの3連勝で重賞初制覇。3歳短距離戦線の新星となった感があるのがカレンブラックヒルだ。「追い切りも動いていましたし、いつも通りにいいスタートを切られれば、結果を残せるのではないかと思っていました」とはノーザンファーム空港牧場の高見優也厩舎長。その高見さんの元で鍛えられたカレンブラックヒルであるが、乗り始めから評価の高い馬だったと話す。

 「目立ったトラブルもなく、順調に調教をクリアしてくれました。手応えが良くて押さえるのが大変な馬ではありましたが、乗り役を選ばない素直さも持っていましたし、無事に厩舎へと送り出せたときには、上のクラスにいける馬になってくれるとの期待もありました」(高見さん)

 その期待が確信となったのは、強い内容だった今年1月に京都競馬場で行われたメイクデビュー。インコースから先手を奪うと、重馬場もなんのその、最後まで力強く伸びて、2着馬には3馬身差をつけた。続くこぶし賞は2番手からセンス良く抜け出すと、後続を振り切っての連勝。逃げてもよし、番手でもよしというセンスの良さも見せつけた。

 「メイクデビュー、こぶし賞と、内容のある競馬で勝ってくれたのは嬉しかったです。このニュージーランドT(G2)ではメンバーこそ揃いましたが、ファンの皆さんからの高い支持に応えてくれると思いながら応援していました」(高見厩舎長)

 メイクデビューと同じように内枠からの発走となった今回も、こぶし賞と同様に先行したカレンブラックヒルは、折り合いをつけながらゴールへと向かっていく。その脚色は最後まで鈍ることなく、最後の一ハロンで先頭に立つとそのままゴールまで押し切って見せた。

 実はこのニュージーランドT(G2)には、高見さんの厩舎で鍛えられたジャスタウェイ(牡3・須貝)も出走予定だったが、感冒の為に出走を回避。同じ育成厩舎出身の僚馬2頭の激突は、NHKマイルカップ(G1)という最高の舞台となった。

 「牧場の頃は集団調教で併せていたこともありますし、2頭共に能力の高い馬だっただけに、どんなレースを見せてくれるのか楽しみです」(高見厩舎長)

 そのNHKマイルカップ(G1)だが、高見さんは厩舎の若いスタッフを東京競馬場に応援に行かせるつもりだ。

 「カレンブラックヒルもジャスタウェイも、そのスタッフたちが乗っていただけでなく、手もかけていてくれましたし、自分が手がけた馬がG1という最高の舞台に出走することは、今後の仕事の励みにもなるはずです」(高見厩舎長)

 そんな高見厩舎長自身も、自らが手がけた馬を競馬場へと応援に行き、そこで得た高いモチベーションを仕事へと生かしてきた。きっとNHKマイルカップ(G1)では、より馬のためにいい仕事をしたいとの思いを、厩舎スタッフは感じるに違いない。