2012年04月01日 産経大阪杯 G2
優勝馬:ショウナンマイティ
プロフィール
- 生年月日
- 2008年04月02日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/青鹿毛
- 戦績
- 国内:12戦4勝
- 総収得賞金
- 312,663,000円
- 母 (母父)
- ラグジャリー(USA) by Storm Cat(USA)
- 馬主
- 国本 哲秀
- 生産者
- 矢野牧場 (静内)
- 調教師
- 梅田 智之
- 騎手
- 浜中 俊
上半期G1をにらんで毎年有力馬が激突するハイレベルのG2戦、産経大阪杯(G2)は4歳馬ショウナンマイティが目の覚める末脚で突き抜け、嬉しい重賞初制覇を飾った。
ショウナンマイティの生産は新ひだか町静内の矢野牧場。大正2年創業の歴史ある牧場で、過去には2002年の桜花賞(G1)優勝馬アローキャリーを生産し、近年もアンシェルブルー、ダノンパッション、ミッキーペトラといった重賞好走馬を送り出している。現在、繁殖牝馬は21頭。スタッフ4名が働いている。
「直線に向いても馬がテレビに映らず不安がよぎりましたが、ゴール前で飛んできた時は声が出ましたね。早くから能力を買われていた馬でしたが、幼かった気性が大人になり、本領発揮してきました。牧場としては桜花賞以来の重賞勝ちです。アローキャリーから10年以内には何としても重賞馬を出したかったので、目標を達成できてホッとしています。」と、重賞Vを振り返るのは同牧場専務の矢野亨憲さん。本馬はこれまで重賞で惜しいレースが続いていたが、並いる強豪を一気に抜き去ったゴールは格別の瞬間だったに違いない。
本馬は2009年のHBAセレクションセール・1歳の取引馬。1,260万円で落札され、現オーナーと縁を結んだ。牧場時代について矢野さんは、「脚が長くて柔らかい馬でしたね。当歳から大きく、父マンハッタンカフェの特長がよく出ていました。とにかくやんちゃで…心労が絶えなかったです。」と、当時を振り返る。わんぱくな性格を考慮しながら、1歳夏までを同牧場で順調に育てられた。
母ラグジャリーは2004年の米国キーンランド・ノベンバーセールで同牧場が購入した繁殖牝馬。矢野さんは、「名種牡馬ストームキャットの肌というのも魅力でしたし、愛ダービー馬バランシーンをはじめ、欧州の重賞馬が出ている母系の優秀さも決め手になりました。」と、導入の経緯を伝える。現在、同牧場には母ラグジャリーの仔が2頭、父シンボリクリスエスの1歳牡馬と、今年4月3日に生まれたばかりの父マンハッタンカフェの牡馬がいる。矢野さんは、「1歳は均整のとれた、幅のある体つきです。当歳は脚が長くて、ショウナンマイティに似ています。」と、紹介。母ラグジャリーの小柄な体型をふまえて、配合相手には馬格のある種牡馬を選んでおり、今年は新種牡馬ヴィクトワールピサを種付けするとのお話。
待望の重賞タイトルを獲得し、通算成績12戦4勝とした本馬。現役屈指のキレ味に磨きをかけ、次はどんなライバルを抜き去ってくれるだろうか。相手関係抜きに測ったように追い込んでくるレースぶりからも、更なるステップで臆する馬ではない。
「これからもコンスタントに重賞戦線で活躍して欲しいですね。G1も狙える馬だと思いますし、期待は膨らみます。」と、矢野さんはエールを送る。G1馬の故郷からまた1頭、あっと言わせる逸材が花開こうとしている。