2012年04月01日 ダービー卿ChT G3
優勝馬:ガルボ
プロフィール
- 生年月日
- 2007年05月05日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/青毛
- 戦績
- 国内:24戦4勝
- 総収得賞金
- 344,321,000円
- 母 (母父)
- ヤマトダマシイ by ジェネラス(IRE)
- 馬主
- 石川 一義
- 生産者
- 高村 伸一 (様似)
- 調教師
- 清水 英克
- 騎手
- 石橋 脩
安田記念(G1)を目指す一流マイラーが集う第44回ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)は、トップハンデを背負って3番人気のガルボがゴール前で先頭に立ち、そのまま後続の追撃をしのぎきって優勝。10年1月のシンザン記念(G3)、今年2月の東京新聞杯(G3)に続いて重賞3勝目を記録した。
同馬を生産した高村伸一牧場は馬産地日高を東西で結ぶJR日高本線の最終駅「様似」町に位置する。先代の秀司さんが70年頃に繁殖牝馬2頭で馬産をスタートさせたのが最初だった。現在は高村伸一さん、洋子さんの夫妻を中心に3人の従業員で7頭の繁殖牝馬をけい養している。同牧場の生産馬インターグシケンは78年の菊花賞をレコード勝ちして様似町に初めてクラシック優勝をもたらし、その後も94年の京都新聞杯(G2)でナリタブライアンを破ったスターマンや08年にニュージーランドトロフィー(Jpn2)を勝ったのサトノプログレスなどを送り出している。
同牧場の高村洋子さんは軽種馬生産者であると同時に様似町の町議会議員や北海道の女性農業者ネットワーク「きたひとネット」、日高地方で働く女性を支援する「日高女性ネットワーク」、あるいは様似町ロータリークラブなどで代表を兼務する多忙な日々を送っている。「当日は公務でレースを観戦することはできませんでしたが、VTRを見ると成長を感じますし、多くの人が強くなっていると褒めてくれました。たくさんの人たちにそういう気持ちを与えられるような馬になってくれたことが嬉しいです」と喜びを表現した。
というのも過去2度にわたって紹介しているようにガルボは2008年の北海道市場オータムセール1歳市場で声がかからなかった馬だ。「5月生まれでしたから、早く産まれた同世代の馬たちと比べると小さかったのは事実ですが、馬体のバランスが良く自信をもって上場させた馬でした」。08年といえばマンハッタンカフェが3世代目をデビューさせた年だ。活躍馬を確実に送り出すことでランキングを押し上げていた。にもかかわらず「オータムセールだから」という理由で、その翌年にはチャンピオンサイアーとなる馬の産駒は嫌われた。「悔しかったです」。
デビューはそれから1年も経たない2歳夏。秋に勝ち上がって朝日杯フューチュリティS(Jpn1)4着。そしてシンザン記念(G3)に優勝した。その後は勝ちきれないレースを続けたが、夜間放牧で鍛えられた持ち前の丈夫さを武器にキャリアを重ねて5歳に重賞2勝。いまでは押しも押されぬトップマイラーに成長した。
ひとつだけ残念なことはガルボがその母ヤマトダマシイにとって最後の産駒となったことだ。「小柄な馬でしたが、オーナーブリーディングホースとして岩手競馬で活躍してくれた馬です。多くの産駒を取ることはできませんでしたが、感謝しています」。
「馬主さんも調教師の先生も期待してくれている馬です。そういう期待に応えてくれたことが嬉しいですし、私たちもガルボに勇気をもらったような気分です。これからも丈夫に長く活躍して欲しいです」と喜びをともにしている。