2012年03月24日 日経賞 G2
優勝馬:ネコパンチ
プロフィール
- 生年月日
- 2006年03月28日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:47戦5勝
- 総収得賞金
- 164,444,000円
- 父
- ニューイングランド
- 母 (母父)
- パシェンテ by ダンシングブレーヴ(USA)
- 馬主
- 桐谷 茂
- 生産者
- 大道牧場 (浦河)
- 調教師
- 星野 忍
- 騎手
- 江田 照男
天皇賞(春)(G1)を目指す古馬たちによるの日経賞(G2)。積極的に先手をとった12番人気のネコパンチ(牡6)が、そのまま1度も他馬に先頭を譲らず優勝した。1994年秋の天皇賞馬ネーハイシーザーの生産者としても知られる浦河町の大道牧場は1999年の小倉サマージャンプ(JG3)(勝馬ロングイカロス)以来の重賞制覇となった。
痛快なパンチだった。
出産、種付けで多忙を極める季節。同牧場の大道数美さんは仕事の合い間に牧場のテレビで観戦していた。「相手が相手でしたから、レース前は勝てるなんて思っていませんでした。でも、重馬場は得意でしたし、芝の長いところも合っていると思ってましたから、強い馬を少しでもあわてさせる競馬をしてくれたら、おもしろいなって。そういう気持ちでした」と大道さんは笑顔で当日の心境を振りかえった。
ゲートが開いて、積極的に前を行く。陣営に迷いはなかった。「ほかと同じことをやっていたらダメだと思うんですよ。競馬に限らず、なんでもそう思います。そういう意味では、滅多に見られない競馬だったと思います。競馬には、こういうこともあって良いんじゃないですか」と嬉しそうだ。
「ずいぶんと気持ち良さそうに走っているな。おもしろいぞ」とレースそのものを楽しんでいた生産者が「あれれ」と思ったのは3コーナーすぎ。「なかなか追いかけてこない。これは…」という思いが「もしかしたら」に変わったのは直線に入ってからだった。「馬はしっかりと走っていましたし、うしろの馬たちはあまり脚色が良くない。坂をあがったあたりで、これならもう勝てると。嬉しかったというよりも、おもしろかったです。楽しかった」と独特の表現で喜びを示した。「当たり前のことをやって、当たり前の結果になっても面白くない。そういう意味では、おもしろい競馬だったと思います」。何度も「おもしろい」を繰り返した。
牧場時代のネコパンチは特別に目立つ馬ではなかったが、とにかく動く馬だったという。「走ることが大好きな馬で、いつも相棒と一緒に放牧地を走り回っていました。それがすごく印象に残っています」と言い「最初に名前を聞いたときは、走ったらおもしろい存在になるなぁって。とにかく丈夫で、たくさん走ってくれる。それが楽しいですね」と生産者としての喜びを表現してくれた。
重賞レースでは京都大賞典(G2)6着程度の実績しかなかった昨年、有馬記念(G1)のファン投票は28位だった。「日経賞(G2)は有馬記念(G1)と同じ距離、同じコースですから今年は胸を張って出走して欲しいですね。応援してください」と楽しみを広げている。