重賞ウィナーレポート

2012年03月17日 ファルコンS G3

2012年03月17日 中京競馬場 雨 重 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブライトライン

プロフィール

生年月日
2009年05月06日 03歳
性別/毛色
牡/青毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
271,504,000円
フジキセキ
母 (母父)
シェリーズスマイル(USA)  by  キングオブキングス(IRE)
馬主
(株) ノースヒルズ
生産者
ノースヒルズマネジメント (新冠)
調教師
鮫島 一歩
騎手
安藤 勝己
  • 牧場の事務所にはJRA賞のトロフィーが飾られている
    牧場の事務所にはJRA賞のトロフィーが飾られている

 NHKマイルカップ(G1)へ向けての前哨戦、ファルコンステークス(G3)はブライトラインが豪快な決め手で圧倒し、嬉しい重賞初制覇を飾った。

 本馬の故郷は新冠町のノースヒルズ。これまでにも多数の重賞馬を生産・育成し、現役馬にはアーネストリー、トランセンドという芝・ダートのチャンピオンクラスを筆頭に、クラレント、トレイルブレイザー、リディルなど実績馬が揃う。また一頭、楽しみな素材が芽を出してきた。

 同牧場ゼネラルマネージャーの福田洋志さんは、「G1を前に強い勝ち方をしてくれましたね。安藤勝己騎手がしっかりこの馬を手の内に入れていて、素晴らしい末脚を発揮してくれました。」と、レースを振り返る。最終コーナー15番手からの見事な弾けっぷりは、出産・種付けに忙しい春の仕事の大変さも吹き飛ばしてくれるシーンだったに違いない。

 今回のレースではメンバー中2番目に大きい506kgで出走した本馬。古馬のようなダイナミックな走りを武器としている。「誕生した時も60kg以上ありましたし、当歳から大きな馬でしたね。この世代の牡馬では5本の指に入るほど評価の高い馬でした。」と、福田さんは牧場時代を伝える。恵まれた馬体は立派なアスリートに育ち、2歳9月には早々とデビューを果たした。

 母シェリーズスマイルは本馬を管理する鮫島一歩調教師が、前田幸治オーナーの命を受けて米国のせりで選び、“マル外”として日本へ輸入した。故障のため競走馬としてデビューは叶わなかったが、英国2000ギニー馬キングオブキングスの直仔に、日本の主流血統を合わせ、自身の仔で結果を出した。残念ながら昨年2月に疝痛を患い亡くなってしまったが、2番仔に牝馬ラフアウェイ(現2勝)がおり、後継の糸はつながれている。

 本馬が目指すNHKマイルカップ(G1)には同郷のクラレントと挑むこととなりそうだ。福田さんは、「この重賞勝ちで弾みがつきますね。ともに順調にG1へ駒を進めて欲しいです。」と、歩みを見守る。今週末は彼らの先輩、トランセンドがドバイワールドカップ(G1)出走と、眠れない夜も迫っている。

 「ドバイでも順調に調整が進んでいると聞いております。彼らしい走りを見せて欲しいです。」と、福田さん。「Challenging Spirit」を理念としたノースヒルズの馬づくりは、日本から世界へ、世界から日本へ、ワールドワイドに道を切り拓いている。