重賞ウィナーレポート

2012年03月18日 阪神大賞典 G2

2012年03月18日 阪神競馬場 曇 稍重 芝 3000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ギュスターヴクライ

プロフィール

生年月日
2008年03月21日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:16戦5勝
総収得賞金
175,270,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ファビラスラフイン(FR)  by  Fabulous Dancer(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
荒川 義之
騎手
福永 祐一

 96年の秋華賞(G1)を勝利。その年にはジャパンC(G1)でも2着となって、JRA賞最優秀4歳牝馬にも選出されたファビラスラフイン。繁殖牝馬となってからはコンスタントにオープン級の産駒を送り出してきたが、ついに9番仔となるギュスターヴクライが、母に重賞タイトルを授けた。

 「育成を行っていた頃はまだ非力で、負荷の強いダートコースではやや頭が高くなるような面も見られました。それでも背中の感触は良く、パンとすれば必ず出世できると確信していました」とはギュスターヴクライを育成した社台ファームの酒井朗厩舎長。実は酒井さんの厩舎では、ギュスターヴクライの父、ハーツクライの育成も行ってきた。

 「正直、似ているところはそれほどありません。ただ、ギュスターヴクライの方が、育成を行っていた頃のハーツクライよりもコントロールしやすい印象があります」(酒井厩舎長)

 血統的にはクラシックディスタンスを沸かすような活躍が期待されたギュスターヴクライではあったが、デビューから3戦続けて掲示板を外すレースが続き、一時はダートへの参戦も予定されていたという。

 「実際、ダートの未勝利戦に登録を行ったのですが、除外されたことで芝の未勝利戦に回って勝ち上がりを決めてくれました。もし、そこで除外されなかったら、競走馬としての運命も変わっていたかもしれません(笑)」(酒井厩舎長)

 3歳未勝利戦、500万下と勝ち上がった後には青葉賞(G2)へも参戦。4着となり、あともう一歩で日本ダービー(G1)出走を逃したものの、このレース以降は3着以下を外さない堅実なレースぶりで、着実にクラスを上げていく。前走のダイヤモンドS(G3)では1番人気で2着入着。この阪神大賞典(G2)では好位から抜け出し、圧倒的人気に支持されたオルフェーヴルの追撃を振り切ってみせた。

 「ハーツクライの産駒が重賞を勝ってくれたことは、とても感慨深い思いがします。また重賞を勝ってくれたことで、どこまで出世するかという未知の手応えと、まだまだ良くなってくれるのではと言う確信めいた思いとが、一緒になっているような気分でもあります。ここまでの道筋もそうですが、まだまだ競走馬としての完成は先だと思っています。それでも折り合いには不安の無い馬ですし、天皇賞(春)(G1)でも好勝負を期待しています」(酒井厩舎長)