重賞ウィナーレポート

2012年03月18日 スプリングS G2

2012年03月18日 中山競馬場 曇 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:グランデッツァ

プロフィール

生年月日
2009年03月03日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
223,204,000円
アグネスタキオン
母 (母父)
マルバイユ(IRE)  by  Marju(IRE)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
平田 修
騎手
M.デムーロ

 週末ごとに雨が降りしきっている気さえする、今年のクラシックトライアルレース。こうなると、サラブレッドの持つ「速さ」よりも、動物としての「強さ」が競われることともなる。

 雨に煙った中山競馬場の、重く湿った芝コースで行われた今年のスプリングS(G2)で、他の13頭よりも強く、そして速く駆けだしてきたのは、昨年の札幌2歳S(G3)の優勝馬でもあるグランデッツアだった。

 「前走のラジオNIKKEI杯2歳S(G3)の後すぐに、こちらへ放牧に来ました。軽い筋肉痛を発症した後のレースということもあり、疲れやダメージなどが気になりましたが、全く不安は見られず、すぐに坂路入りを開始できたほどです」(社台ファーム山元トレーニングセンター・袴田二三男マネージャー)

 疲れが無かったことにより、グランデッツアのローテーションはより前向きに考えられることとなった。当初は弥生賞(G2)からの始動が考えられていたが、何せ馬体減の不安を感じさせない健康優良児ならぬ「健康優良馬」。皐月賞(G1)に向けて馬体の調整と気持ちを前に持って行きやすいレースということで、平田調教師と相談した結果、スプリングS(G2)からの始動を決定した。

 「レースが決まったあと、鞍上がM.デムーロ騎手に決まったと社長から連絡を受けたときには、生産馬と相性のいいジョッキーだけに嬉しかったという思いと、結果を残せる状態で厩舎へと送り出さなくてはというプレッシャーも生まれてきました(笑)。それでも重馬場の大外枠という、決して有利とは思えない条件での完璧な内容での勝利。ホッとしたと同時に、改めて強い馬だなと感じさせられました」(袴田マネージャー)

 デビュー前から「アグネスタキオンの最高傑作」と言われてきた馬は、ついに皐月賞(G1)での父子制覇が叶う場所までやってきた。父だけでなく、半姉のマルセリーナも昨年の同時期に桜花賞(G1)を勝利しているように、血統的にも春先の活躍は裏付けされている。もし、皐月賞(G1)の当日に雨が降ろうとも、グランデッツアが備えている強さと速さなら、むしろ勝利に向かっての足場を固める好材料となりそうだ。