重賞ウィナーレポート

2012年03月11日 中山牝馬S G3

2012年03月11日 中山競馬場 晴 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:レディアルバローザ

プロフィール

生年月日
2007年04月21日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:23戦5勝
総収得賞金
187,033,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ワンフォーローズ(CAN)  by  Tejano Run(USA)
馬主
(株) ロードホースクラブ
生産者
ケイアイファーム (三石)
調教師
笹田 和秀
騎手
福永 祐一
  • レディアルバローザの母ワンフォーローズ
    レディアルバローザの母ワンフォーローズ
  • アメリカの繁殖セールで購入
    アメリカの繁殖セールで購入
  • 牧場の繁殖スタッフの皆さん
    牧場の繁殖スタッフの皆さん
  • 続々と当歳馬が産まれ、繁忙期の真っただ中
    続々と当歳馬が産まれ、繁忙期の真っただ中

 春の牝馬重賞、中山牝馬ステークス(G3)はレディアルバローザが鮮やかな逃げ切り勝ち。昨年のヴィクトリアマイル(G1)3着の実績は伊達ではなく、近走の不振を吹き飛ばし、同レース2連覇を飾った。

 本馬の生産は新ひだか町三石のケイアイファーム。近年、シンメイフジ、ダノンバラード、ロードカナロアが重賞勝ちを決め、毎年のように有力馬を競馬場に送り込んでいる。リーディング・ブリーダー・ランキングではここ3年で30位→16位→13位と順位を上げており、勢い十分の牧場として知られる。

 同牧場繁殖スタッフの杉山寿広さんに、レースの感想を伺うと、「逃げる競馬だったので、このレースは中山競馬場の直線が長く感じましたね。最後はスタッフ皆、のどがかれるほど応援していました。人気はありませんでしたが、昨年も勝っているレースですし、力は上位だと思っていました。一年ぶりの勝利を本当に嬉しく思っています。」と、喜びを語ってくれた。当日は場長のご自宅に繁殖スタッフが集まってレース観戦し、生産馬の頑張りに一緒に胸を躍らせた。

 本馬の牧場時代については、「従順で手のかからないタイプ。とても利口な馬でしたね。育成まで順調に育ちました。」と、当時を振り返る杉山さん。素軽い身のこなしで、当歳時から動きの良さが目立っていたという。

 母ワンフォーローズは3年連続でカナダの最優秀古馬牝馬に輝いた名牝で、現役時代はアメリカ、カナダで15勝をマーク。高額取引で同牧場が導入した期待の繁殖牝馬だ。杉山さんは、「パワフルな馬ですね。交配種牡馬の長所をよく引き出してくれて、レディアルバローザのように素軽い感じの仔も生まれています。頑丈ですし、仔出しは非常に良いです。」と、紹介する。産駒は本馬が初仔で、2番仔がキャトルフィーユ(現役・3歳牝)、3番仔に父ネオユニヴァースの2歳牡馬、4番仔に父ディープインパクトの1歳牝馬がいる。ワンフォーローズは昨年、交配をお休みし、今年はキングカメハメハの種付けを行っている。

 自在な脚質を武器に、2つ目の重賞タイトルを勝ち取ったレディアルバローザ。日本が誇るトップサイアー・キングカメハメハとカナダの一流牝馬の賜物が、いよいよ大きな花を咲かせようとしている。「昨年のヴィクトリアマイル(G1)は惜しい3着だったので、今年は雪辱を果たして欲しいですね。牝馬G1を狙える馬だと思っているので、次走も楽しみにしています。牧場は今、出産のピークで大変ですが、馬が走ってくれることが大きな励みです。」と、杉山さん。更なる歩みへ、そのまなざしは温かく、そしてどこか強いものをみなぎらせていた。