2012年03月04日 弥生賞 G2
優勝馬:コスモオオゾラ
プロフィール
- 生年月日
- 2009年02月17日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦3勝
- 総収得賞金
- 90,165,000円
- 母 (母父)
- マイネシャローナ by コマンダーインチーフ(GB)
- 馬主
- (有) ビッグレッドファーム
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 高橋 義博
- 騎手
- 柴田 大知
過去の優勝馬にディープインパクト、アドマイヤムーン、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサと錚々たるメンバーが名を連ねるクラシックの登竜門、弥生賞(G2)。今年新たに名前を刻んだのは9番人気の低評価を覆し、重賞初勝利を飾ったコスモオオゾラだった。
生産した新冠町のビッグレッドファームにとって弥生賞(G2)は、生産馬のマイネルチャールズが08年に優勝。同じ「コスモ」の冠名を持ち、現在同牧場で余生を送っているコスモバルクが04年に制するなど縁の重賞でもある。
また、コスモオオゾラの父、ロージズインメイはマイネル・コスモ軍団の“総帥”である岡田繁幸氏が惚れ込んで06年に導入した。3世代目の産駒で待ちに待ったJRA重賞初制覇となり、牧場は二重の喜びに包まれていた。
「前走の共同通信杯(G3)は5着で掲示板を確保。力は付けて来たと思いましたが、今回はメンバーも揃っていたし、せめて皐月賞(G1)の優先出走権を取れればいいな、くらいの気楽な感じでテレビを見ていました。なので坂をのぼって後続を突き放した時はビックリしたというのが正直な感想で…ロージズインメイを自分のところの馬で男にしてやれた!という気持ちも強かったですね」と話すのは繁殖担当の菊池聡さん。
生まれ落ちから同馬を見て来た菊池さんを驚かせるほど強くなったコスモオオゾラ。「それまでは別のところでお産をやっていたんですが、オオゾラが生まれた年からうちの厩舎でもお産をすることになったんです。8頭生まれたうちの1頭がオオゾラ。だから思い入れはすごくあるんだけど、目立つ方じゃなかったですね。母マイネシャローナもどちらかというと地味なタイプだったし、離乳して育成に移っても“普通”だったみたいです」と苦笑い。
それでも当歳時のエピソードを伺うと「普通、当歳と母親は一人の人間が2頭引きするんですけど、オオゾラは力が強くグイグイ引っ張って危ないので、必ず誰かに手伝ってもらっていました。父に似てパワータイプなんだなと感じたことが印象に残っています」。
初勝利こそ良馬場だったが、葉牡丹賞は不良馬場、今回は稍重での勝利。力のいる馬場で本領を発揮する現在の姿と重なる。
「春に楽しめる馬がいると牧場のモチベーションも上がります。展開に左右されず、自分のペースで走れるのが強みだし、持てる力を出し切ればおのずと結果は付いて来る。ただ、皐月賞(G1)当日はてるてるぼうずを逆さに吊るして応援しますよ」と菊池さんは笑顔で健闘を祈った。