重賞ウィナーレポート

2012年01月22日 平安S G3

2012年01月22日 京都競馬場 晴 不良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヒラボクキング

プロフィール

生年月日
2007年02月09日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:14戦6勝
総収得賞金
109,982,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
エンキャンタドゥ(USA)  by  Rahy(USA)
馬主
(株) 平田牧場
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
大久保 龍志
騎手
藤岡 佑介
  • ヒラボクキングの母、エンキャンタドゥ
    ヒラボクキングの母、エンキャンタドゥ
  • ハービンジャーを受胎している
    ハービンジャーを受胎している
  • ヒラボクキングの半弟(1歳 父ディープスカイ)
    ヒラボクキングの半弟(1歳 父ディープスカイ)
  • バランスのとれた好馬体をしている
    バランスのとれた好馬体をしている

 春のダート決戦、フェブラリーS(G1)へ向けての前哨戦、平安S(G3)は5歳馬ヒラボクキングが初タイトルを獲得した。重賞挑戦2度目にして、G1馬を破っての堂々の勝利で、大一番へ向けて新星登場を予感させている。

 本馬の生産は浦河町の辻牧場。2009年のアドマイヤフジ(中山金杯(G3))、2011年のアドマイヤコスモス(福島記念(G3))に続いての重賞制覇に牧場は沸いている。同牧場の辻助さんは、「優勝できて牧場一同嬉しく思っています。強いメンバー相手に、本当によく走ってくれました。この勢いでG1制覇を期待したいですね。」と、感想を語ってくれた。

 レース当日は同牧場・繁殖スタッフの佐々木恵一さんが京都競馬場まで応援に駆けつけ、初めての表彰台に胸を躍らせていた。「先頭に立った時は叫んでいましたね。直線が長く感じました。レースの後はずっと気持ちが高ぶっていて、実感が沸くまで時間がかかりました。この仕事をしていたことを誇りに感じましたね。」と、感動の1ページをめくる。

 キングカメハメハ産駒の本馬はアメリカから導入された母エンキャンタドゥの4番仔として誕生した。母はマイペースな性格で、交配種牡馬の長所を引き出す、優れた肌馬として健在だ。現在はハービンジャーを受胎中。牧場時代の本馬については、「当歳時は手のかからない、大人しい馬でしたね。生まれた頃は少し華奢な印象でしたが、離乳してからグンと成長しました。今では530kg近い馬体ですからね、競馬場のパドックで見た時は、立派になったなぁと惚れ惚れしました。」と、佐々木さんは語る。

 母エンキャンタドゥは一昨年、父ネオユニヴァースの牝馬を、昨年は父ディープスカイの牡馬を生んでいる。有名になった兄を受け、妹弟にも更に注目が集まっていくことだろう。佐々木さんは、「2歳の妹はガッチリした馬体で、牝馬らしからぬ力強さを感じます。1歳の弟はバランスのとれた馬で、芝向きでしょう。ともに距離はこなせそうで、クラシック路線に乗って欲しいです。」と、紹介する。2歳の妹は昨年のHBAサマーセールのJRA購入馬で、2012年度JRAブリーズアップセール上場候補馬として、日高育成牧場で鍛錬されている。上場となれば、目玉の一頭として多数の声がかかるに違いない。

 ダート路線に現れた新星、ヒラボクキング。これまで一度も掲示板を外さない安定した走りで、ついに重賞の壁もぶち破った。新たな敵を求めて、伸び盛りの5歳馬の歩みに熱い視線が送られることだろう。来るG1でも故郷へ嬉しい便りを運んでくれそうだ。