2012年01月28日 シルクロードS G3
優勝馬:ロードカナロア
プロフィール
- 生年月日
- 2008年03月11日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:8戦6勝
- 総収得賞金
- 669,958,000円
- 父
- キングカメハメハ
- 母 (母父)
- レディブラッサム by Storm Cat(USA)
- 馬主
- (株) ロードホースクラブ
- 生産者
- ケイアイファーム (三石)
- 調教師
- 安田 隆行
- 騎手
- 福永 祐一
春の芝短距離G1を睨んでのステップレース、シルクロードステークス(G3)は勢いに乗る明け4歳馬・ロードカナロアが快勝。断然人気のプレッシャー、重いハンデも何のその、高いスピード能力を見せつけて、連勝を5に伸ばした。
本馬の生産は新ひだか町三石のケイアイファーム。最近、活躍している生産馬には、昨年の中山牝馬S(G3)の勝ち馬レディアルバローザ、皐月賞(G1)3着馬ダノンバラードなどがいる。同牧場・繁殖スタッフの杉山寿広さんはこうレースを振り返る。「場長の自宅でスタッフみんなと観戦していました。レース前は期待と不安を抱えながら、という気持ちでしたね。最後の直線で鋭く伸びて、逃げ馬を捕えた時には勝てると思いました。本当に素晴らしい決め脚でしたね。レースのたびに進化を感じさせる走りを披露してくれて、この馬にはいつも驚かされます。」
牧場時代の本馬といえば、とりわけ目立ったタイプではなかったという。「母馬はやや小柄なのですが、カナロアはガッチリした体型をしていて、順調に成長しました。今では500kgですから、大きく育ちましたね。母馬は馬に対して強く、放牧地ではボスなのですが、それが産駒へ闘争心、勝負根性として受け継がれているのでしょう。」と、杉山さんは話す。
母レディブラッサムは現役時代、芝ダート短距離で5勝。祖母サラトガデューはアメリカでG1を2勝し、3歳牝馬チャンピオンに輝いた馬で、期待の牝系がついに本領発揮している。本馬に続く妹、弟には2歳に父ネオユニヴァースの牝馬、1歳に父マンハッタンカフェの牡馬がいる。
杉山さんは、「2歳の妹は母に似て気が強く、軽さがあって、動きも良いです。どちらかと言うとスピードタイプでしょうね。1歳の弟は父母の長所が生かされていて、バランスの良い馬です。こちらは距離がもちそうなイメージです。」と、紹介してくれた。母レディブラッサムは現在、ディープインパクトを受胎中で、出産予定日は5月1日。また、同牧場にはレディブラッサムの4番仔にあたるレディサファイア(父シンボリクリスエス)が里帰りしており、クロフネの初仔を受胎中。これから更に繁栄の一途をたどるファミリーだろう。
同牧場ではすでに当歳馬が産まれており、3、4月にかけて出産のピークを迎える。新しい命の誕生に向き合う現場では、絶えず気力・体力をフル回転させていく毎日に、生産馬の躍進は大きな励みとなるはずだ。
杉山さんは、「今度はG1挑戦となるようですが、また一段とレベルが上がりますからね。左回りも未経験ですが、うまくクリアして欲しいです。」と、その歩みを温かく見守っている。短距離界に現れた新星・ロードカナロア。故郷のみんなを驚かせる強い走りは、まだまだ続いていく予感がしてならない。