重賞ウィナーレポート

2012年01月05日 中山金杯 G3

2012年01月05日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フェデラリスト

プロフィール

生年月日
2007年06月06日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:9戦6勝
総収得賞金
172,705,000円
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
田中 剛
騎手
蛯名 正義

 新年初の重賞となった中山金杯(G3)を制したのは、地方競馬での経験を積んで中央に戻ってきたフェデラリスト。管理をする田中剛調教師にとっては、開業3年目にして、初めての平地重賞制覇となった。

 「田中剛師は開業前から頻繁に牧場と山元トレーニングセンターに来場されており、その熱意は牧場スタッフ全員に伝わっていますので、勝利の瞬間は我々も喜びを分かち合うことができました」と話してくれたのは、社台ファームの長浜卓也さん。中央で1戦した後、故障を発症して船橋の出川克己厩舎へと移籍したフェデラリストだが、初勝利を上げた後で3月11日の東日本大震災に見舞われる。船橋での開催が中止になったことを受けて、園田の田中道夫厩舎へと移籍。そこで2勝目をあげて中央へと戻ってくることとなった。

 「この重賞勝利に至るまでに、故障、そして震災の影響とフェデラリストにとって辛い時期を過ごしてきたと思います。地方在籍時を含め、これまで本馬に携わった全ての関係者のご尽力のおかげで勝ち取った重賞であることは間違いありません。昨年の世相を現す漢字にも選ばれましたが「絆」が生んだ勝利だと思います」(長浜さん)

 中央復帰後、掲示板を外さない堅実なレースぶりで、年末にはオープン入りを果たす。今回は初の重賞挑戦となったが、それでも長浜さんやスタッフは、育成時から感じていた潜在能力からすると、ここでも好勝負だと期待していたという。

 「思い入れも強かった馬ですし、ゴール後の蛯名騎手のガッツポーズにはグッとくるモノがありました」と話す長浜さん。今年、牧場にとって初めての重賞は、今年の年末に一年を振り返った時にも忘れられないものとなったのではないだろうか。

 また、この勝利は母となったダンスパートナーにとっても、初めての重賞制覇。現役時はオークス(G1)、エリザベス女王杯(G1)とG1レースを勝利してきた名牝だけに、フェデラリストの勝利は母のファンも喜んだに違いない。

 「我々にとっても感慨深い思いがしています。繁殖牝馬としてはすっかりベテランとなりましたが、いまだに眼光は鋭く、往年の凄みは健在です」と長浜さん。今春はキングカメハメハの産駒を出産予定とのことだが、母と同様にG1を沸かすような競走馬となってもらいたいが、この勢いならその前にフェデラリストがG1制覇を成し遂げることともなりそうだ。